【動画】コロナ禍が落とした影 世界有数のスラム街で結核が増加 フィリピン

2023年05月08日

食品店を営むアマリアさん(42歳)は、結核という病名をあえて口にしない。かつて「スモーキーマウンテン」と呼ばれた過密な地区で、共に生活する隣近所の人たちを怖がらせたくないからだ。

フィリピン首都のトンド地区は、約9平方キロに65万人以上が密集して暮らす世界有数のスラム街。コロナ禍の移動制限が2年近くに及び、狭く風通しの悪い家の中に閉じ込められた人びとの間で、結核を発症する人が増えている。結核は、世界で新型コロナに次いで死者数の多い感染症だ。

毎日午後になると熱が出るアマリアさんが、国境なき医師団の結核検査に訪れたのは2022年5月。治療に取り組んで治癒したアマリアさんは、いま心置きなく孫を抱きあげることができる。

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