不衛生な水で下痢やジフテリアに… 安全な水が飲みたい!

2018年10月16日掲載

バングラデシュの巨大難民キャンプの様子(2018年4月撮影)。© Dean Irvineバングラデシュの巨大難民キャンプの様子(2018年4月撮影)。© Dean Irvine

バングラデシュ南部コックスバザール県の巨大難民キャンプ。約91万人のイスラム系少数派「ロヒンギャ」の人びとが身を寄せている。住まいは、でこぼことした地面の上に、竹とビニールシートで作った仮設住居。住民の数も過密状態だ。不衛生な生活環境によって、体調を崩す難民が増えている。

国境なき医師団(MSF)は、下痢やE型肝炎、ジフテリアなどにかかった難民たちの治療に対応している。これらの病気は、劣悪で不衛生な水や、生活環境に関わりが深い。 

設置されたポンプから出る水で手を洗う人。© Dean Irvine設置されたポンプから出る水で手を洗う人。© Dean Irvine

一般的に難民キャンプでは、衛生的な水の不足が大きな問題となる。幸いロヒンギャの人びとは、地下水をくみ上げることができる。前に支援活動したMSF以外の団体や機関が、キャンプ内に、水を地下からくみ上げる手押しポンプや、水の出る蛇口を設置したためだ。くみ上げた水は塩素で消毒する必要があるが、多くの人びとは、そのまま口にしてしまう。 

水を運ぶ少女。 © Dean Irvine水を運ぶ少女。 © Dean Irvine

女性は早朝と夜間、男性や子どもは昼間に水をくみに行く。キャンプ内の手押しポンプで水をくみ上げ、鍋を水でいっぱいにする。だが、重くなった鍋を持って、険しい丘を歩かなければならない。十分な水を汲むには、1日かけて、何往復もしなければならない。

くんだ水を家に運ぶと、援助物資でもらった容器や、自費で購入したプラスチック製のドラム缶にそのまま入れて保管する。だが、ものの数時間で不衛生な水になる。 

給水網の整備をするMSFのスタッフら(2018年4月撮影)。 © Dean Irvine給水網の整備をするMSFのスタッフら(2018年4月撮影)。 © Dean Irvine

MSFはこれまでも、ロヒンギャの人びとに安全な水が届くよう、いくつか小規模の給水網を設置してきた。給水網によって、各家庭のそばの蛇口に直接水を運べるようになった。人々に届く前に、全ての水を安全に処理できるのが大きな利点だ。給水網は、水を地下からくみ上げてから、汚染を防ぐ塩素を加える。ポンプで複数のタンクに注いだ後、蛇口に供給する。塩素によって、水の汚染を防ぐことができた。

MSFはさらに、病気の集団発生の可能性がある地域で、水をろ過する機械の配布も続けている。 

水をくむロヒンギャの人びと(2018年4月撮影)。© Dean Irvine水をくむロヒンギャの人びと(2018年4月撮影)。© Dean Irvine

現在は、クトゥパロン=バルカリの難民キャンプでは、約8万人の人びとに塩素で処理した水を届ける大規模設備の設置プロジェクトに取り組んでいる。大規模設備では、太陽光発電式のモーターポンプを備えた井戸11基と貯水タンク13個を、水道管システムで200カ所以上の水場とつなげる計画だ。バングラデシュの国際NGO「バングラデシュ農村向上委員会(BRAC)」と合同でプロジェクトを進めている。

MSFの給排水・衛生活動コーディネーター、ライアン・ベリンガムは、「安全な飲み水は、感染症予防につながる。衛生設備の確保は、病気の拡大を防ぐ」と話している。 

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