イベント報告
【イベント報告】北海道大学の医学部学生が主導!大学祭で国境なき医師団の企画展示開催
2025年06月17日北海道大学の大学祭「北大祭」会期中の6月7日~8日、同大医学部の学生による「医学展」が開催されました。
「北大祭」は毎年6月に開催され、10万人以上が来場する大規模な大学祭です。医学部の学生が主催する「医学展」は、ぬいぐるみ病院や心肺蘇生講習、医療検査体験など、工夫をこらした参加型・体験型の展示が行われ、多くの来場者が足を運ぶ人気の展示の一つです。
今年の「医学展」では、昨年に引き続き国境なき医師団(MSF)の企画展示コーナーが設けられ、人道援助やMSFの医療活動について来場者に伝えました。
毒ヘビに噛まれてから解毒剤で処置するまでをゲーム形式で分かりやすく伝える「熱帯・毒ヘビチャレンジ!」や、子どもの栄養状態を確認する「命のうでわ」や栄養治療食などを展示。家族連れや中高生など、多くの来場者が楽しみながらMSFの活動に関心を持つ機会になりました。


なぜ医学展でMSFの展示を行うことになったのですか?
(佐藤さん)「紛争や災害、貧困で苦しんでいる人びとの状況や、海外で活動する医療者のことを、多くの来場者に知ってもらいたい、視野を広げてもらいたいと思い、企画展示を実施することにしました。企画や準備をした私自身も人道危機や人道援助について学ぶことになり、とても勉強になりました」

(二階堂さん)「3・4年生の有志で医学展を実施しており、それぞれが担当したい企画に手を挙げるのですが、今回MSFの企画をやりたいという学生が多かったことが印象的でした。北大の医学部には将来MSFの活動に参加したいという学生もたくさんいます。私自身も海外で働くことに興味があり、学生のうちからこのような形で広報活動に参加できることに面白さを感じました」

(加賀谷さん)「医学展は子どもがたくさん来る傾向にあります。昨年は子ども向けのコンテンツが『命のうでわ』のみでしたが、今年は『熱帯・毒ヘビチャレンジ!』も加わり、子どもたちがより一層楽しそうに参加している様子がうかがえました。来場者が実際に手を動かしながら学べる展示があれば、より多くの方に興味を持ってもらう機会になると感じています」
加賀谷さんがMSFに興味を持ったきっかけや、医学部生としての今後の展望を教えてください。
(加賀谷さん)「中高生の頃、MSFで活動する方々を見て『かっこいい』と思ったことが、最初にMSFに興味を持ったきっかけでした。大学は医学部には進まず文系の学部を卒業し、IT企業に就職しました。その後、30歳を目前にして本当にやりたいことを見つめ直し、MSFに参加したいという思いが強まりました。非医療の道でMSFに参加する道も考えましたが、苦しんでいる人びとの”痛み”を直接取り除ける医師としてMSFに参加したいと考え、医学部への挑戦を決意しました。卒業後は海外で医療技術を磨きながら医師として経験を積み、45歳までにMSFの一員として活動することが、私の夢です」

加賀谷さんが起案したMSFの展示を、今年は後輩の佐藤さんと二階堂さんにバトンを引き継ぎ開催いただきました。学生の皆さんの取り組みを通じて、多くの来場者の方が人道危機について知り、自分にできることを考えてくださったことに感謝いたします。
大学祭などでの展示のご希望や、医療系大学生ボランティアグループへの参加にご関心がある大学生の方がいらっしゃいましたら、volunteer@tokyo.msf.orgにご連絡ください。