トルコで救援物資や食料を提供 寒さの中で避難生活を送る人びとのもとへ
2023年02月22日
2月6日にトルコとシリアで発生した大地震を受け、国境なき医師団(MSF)は両国で緊急援助を行っている。トルコでは、現地のパートナー団体との連携のもと、被災した人びとに救援物資や食料を提供。寒さの中で避難生活を送る人びとへ支援を届けている。
衛生用品やストーブを
トルコ南部アドゥヤマンではトルコ医師会と協力し、2月15日に衛生用品や電気ストーブ、冬用の肌着、おむつ、ベビーフードなどの物資を、被災者のための避難キャンプで50世帯以上に配布した。
人口約30万人のアドゥヤマンは、今回の地震で最も大きな被害を受けた地域の一つだ。多くの建物が損壊し、何千人もの人びとが屋外やキャンプ、仮設住宅、自家用車などで寝泊まりしている。

© Igor Barbero/MSF

© Igor Barbero/MSF
「これまでの人生で築き上げてきたものを、すべて失いました」 アリさん(43歳)
家も車も失いました。自分たちで建てて、17年間住んできた家でした……。いまは家族5人で、親戚の車の中で寝ています。
地震が起きたとき、私は6歳、8歳、12歳の子どもたちに毛布を掛けて守ろうとしました。揺れは2分ほど続き、さらにすべての動きが止まるまで1分待ちました。そして、2階のバルコニーに開いた穴から下に降りたのです。近所の人たちも手伝ってくれて、子どもたちを外に連れ出すことができました。
地震が起きたとき、私は6歳、8歳、12歳の子どもたちに毛布を掛けて守ろうとしました。揺れは2分ほど続き、さらにすべての動きが止まるまで1分待ちました。そして、2階のバルコニーに開いた穴から下に降りたのです。近所の人たちも手伝ってくれて、子どもたちを外に連れ出すことができました。
この震災で、いままで築き上げてきたものをすべて失いました。いろいろなところから援助を受けていますが、テントが特に必要です。そして、お金がなければどこにも行くことができません。

「元の生活に戻って、暖かい場所で過ごしたい」 ディランさん(23歳)
私たちは、父、母、きょうだいの5人家族です。私は郊外にある病院で清掃員をしていました。
家はここから30メートルほどの場所にあるのですが、完全に崩れてしまいました。いまはこのキャンプで近所の人たちと一緒に過ごしています。
震災後はまず必要なものを集めて、3日前にここに移ってきました。このテントは、ある団体がくれたものです。私たちが望むのは、普通の生活に戻ることです。ちゃんと食べられて、暖かい場所で過ごせる生活に……。
別な場所に移動する予定はありません。私たちはずっとアドゥヤマンに住んできたので、どこに行けばいいのか分からないのです。どうしたらいいのでしょう。ここが私たちの場所であり、人生そのものなのです。
いまは何もせず、ただ外を見ながら寒い日々を過ごしています。ここはとても寒い。そしていまも時々、床が揺れているような感じがするんです。

シリア国境近くの地域でも
トルコ南部、シリアとの国境に近いキリスでは、パートナー団体のIBCと連携し、トルコ赤新月社の調整のもと、食料の配給を行っている。

© MSF/Assiya Hamza

© MSF/Assiya Hamza

© MSF/Assiya Hamza

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