ミャンマーの地震で対応を準備中──必要なのは関係当局による迅速な活動承認

2025年03月29日
震源付近の地図 Ⓒ MSF
震源付近の地図 Ⓒ MSF

ミャンマー中部で発生したマグニチュード7.7の地震で、ミャンマーとタイで活動中の国境なき医師団(MSF)チームは全員、無事が確認された。

ミャンマーと周辺国で活動するMSFの医療・人道援助スタッフは、被災地のニーズに大規模に対応できる体制にある。しかし、そのためには被災地のニーズ調査や医療支援を迅速かつ妨げられることなく行えるよう、関係当局の支援が必要だ。

効果的な対応には迅速な当局の承認が不可欠

地震の規模と大きさを考慮すると、人びとへの影響は甚大なものになる可能性がある。特に負傷で緊急の救命を必要とする人びとにとっては、その影響は深刻になりうる。

また、家屋を失い、一般的な医療サービスを受けられなくなり、さらには水媒介性疾患の蔓延を防ぐために不可欠な安全な飲料水が入手困難になる中で、さらに弱い立場に置かれる人びとが増えることも懸念される。

負傷した人びとに対して外科手術を含む医療対応を行うためには、地震発生後数時間から数日の間に評価チームを派遣し、外科治療体制を確立することが必要である。

効果的な対応を行うためには、被災地へのアクセスと、必要な物資の搬入などを当局が迅速に承認することが不可欠である。

MSFミャンマー現地活動責任者、フェデリカ・フランコ

MSFのチームは地震の最も大きな被害を受けた地域にはいませんでしたが、ミャンマー国内のすべてのチームが地震を感じ、すべてのオフィスで一時避難を行いました。

かなり長い間揺れが続き、恐怖を感じました。幸いにも、MSFのスタッフ全員の無事は確認できていますが、被災地の人びとのことがとても心配です。

現時点では、被害の全容を把握するのはかなり難しい状況です。公式発表によると、現時点で144人の方が亡くなり、1500人近くが負傷しています。この数字はさらに増えることが懸念されます。 

道路の損壊で通行が困難に

被害の大きかった地域では通信が途絶しており、その原因は現在も続いている紛争にあるため、状況は非常に複雑です。

さらに、主要道路が被害を受けています。最大都市ヤンゴンから首都ネピドー、震源に近い第二の都市マンダレーに続く高速道路もそのひとつでです。

私たちのチームの一つが28日に車で移動しましたが、引き返さざるを得ませんでした。一部の空港も閉鎖されています。 

迅速な現場アクセスを

ご想像の通り、これは非常に困難な状況を生み出しています。情報を入手するだけでなく、人びとに支援の手を差し伸べることも非常に困難な状況です。

言うまでもなく、MSFは援助活動の準備ができており、緊急対応計画も進行中です。現時点での私たちの最優先事項は、調査チームを派遣することであり、理想的には救急の外傷対応が可能なチームを派遣することです。

そのためには被災地へのアクセスが必要であり、このような状況では時間が特に重要です。 

命を救う活動を、どうぞご支援ください。

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