【動画】気候危機は健康危機──太平洋の島国キリバス いま、人びとが直面している現実とは?

2023年05月19日

「海辺で暮らすのは、本当に不安でいっぱいです」
 
キリバス共和国(以下、キリバス)のタラワ環礁に住む、ベイア・ティイムさんはそう話す。
 
地球上で最も気候危機の影響を受けやすい国の一つ、キリバス。いま、この太平洋中部に位置する島国は、感染症と非感染性疾患、そして気候変動による健康への影響という、健康に対する3重の脅威に直面している。
 
キリバスでは、気温や海水温の上昇、高潮や強風、土地の浸食、干ばつ、洪水などが発生しており、気候や環境の変化は既に困難な状況の人びとの健康状態の悪化に拍車をかけている。キリバスで何が起きているのか──現地の様子を伝える。

国境なき医師団(MSF)のキリバスでの活動

MSFは2022年10月からキリバスで医療・人道援助活動を開始。現地の保健省と連携し、産科と小児科の医療改善に取り組んでいる。

MSFの小児科医、産婦人科医、助産師、小児科看護師は、保健省のスタッフと共に同国の主要病院で医療を提供し、現地の医療スタッフの対応力の向上を支援している。また、MSFは離島でも活動を展開し、新生児ケアに関する看護師のトレーニングを実施。妊娠糖尿病が非常に多いため、ハイリスク妊娠の女性に向けたスクリーニング検査も行っている。

南タラワのトゥンガル中央病院の小児科病棟で、キリバス保健省の同僚と共に活動を行う Ⓒ MSF/Nicolette Jackson
南タラワのトゥンガル中央病院の小児科病棟で、キリバス保健省の同僚と共に活動を行う Ⓒ MSF/Nicolette Jackson

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