ハイチ大地震 被災地ではさらに暴風雨が──いま緊急に必要とされる援助とは

2021年08月17日掲載

8月14日に発生した地震で倒壊したハイチ南県の家屋 © Souchet Hippolyte/MSF8月14日に発生した地震で倒壊したハイチ南県の家屋 © Souchet Hippolyte/MSF

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8月14日の午前8時30分(現地時間)、カリブ海の島国ハイチを激しい揺れが襲った。マグニチュード7.2の地震が発生し、南西部の半島に位置するグランダンス県、ニップ県、南県で建物や家屋、道路が倒壊。現地当局によると、これまで確認された死亡は1400人を超え、けが人は6900人以上にのぼる。

現時点ですべての被害状況を把握することは困難だが、国境なき医師団(MSF)は被災した地域へ調査に入り、南県のポールサリューとレカイ、グランダンス県ジェレミーの各都市では援助活動を開始した。今後は医療品や必需品の輸送、けが人を治療する医療チームの派遣を行い、援助を強化する準備を進めている。

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MSFの初動対応

「いま優先しているのは、まず医療の状況を正確に把握し、けが人を可能な限り直接治療すること。そして患者の容体が安定していれば、機能している医療機関に搬送することです」と、ハイチでMSF活動責任者を務めるアレサンドラ・ジュディスアンドレアは語る。

地震発生から数時間以内に、被害に見舞われた町ポルタピマンにいるMSFの医療チームは、状況を把握するためにレカイ総合病院へ駆けつけ、活動を開始した。また別のチームは、26人の負傷者を受け入れたポールサリュー病院に派遣された。

MSFはグランダンス県のジェレミー市にある病院に外科チームと滅菌機器を送り、ニップ県ではミラゴアーヌ市の病院に物資の援助を行った。

このほかMSFはバラデール、プティトゥルー、レザングレ、コライユ、ペステルといった地域で被害状況を現在調べており、現場の状況に応じて医療チームの派遣や必需品の配布、水と衛生の活動を始めている。

医療・人道援助物資を載せ、首都からグランダンス県までヘリで移動するMSF緊急対応チーム © MSF医療・人道援助物資を載せ、首都からグランダンス県までヘリで移動するMSF緊急対応チーム © MSF

道路の寸断、大雨、ギャング…立ちはだかる難題

レカイからジェレミーへ向かう道路で地滑りが発生。
道路や橋が崩壊し、孤立した住民の救助が困難に © MSFレカイからジェレミーへ向かう道路で地滑りが発生。
道路や橋が崩壊し、孤立した住民の救助が困難に © MSF

現状の大きな課題の一つは、いかに医療チームや物資を輸送するかだ。地震により道路が崩壊したため、レカイとジェレミーの間などが寸断され、救援物資の配送が遅れたり、困難となっていたりする。遠隔地へ迅速にアクセスするため、MSFはヘリコプターをチャーターし、物資の輸送やけが人の搬送を行う。また海路での移動も検討中だ。

また追い打ちをかけるように、熱帯性低気圧「グレース」が現地時間16日夜から17日にかけて、地震被害を受けた地域を通過するとみられる。

「ジェレミー市のいくつかの病院では建物が損傷し、余震が心配されるため、患者を退避させました。大雨が予想されるなか、患者さんは屋外やテントの中で過ごします。家を失ったハイチ人も同じです」とMSF緊急対応責任者のミシェル・オリビエ・ラシャリテは話す。

ハイチの治安状況はさらなる難題だ。ハイチ南西部へ向かう幹線道路は、首都ポルトープランスでも特にギャングの抗争が激しい地区を通過する。ギャングは停戦を宣言しているものの、治安の悪さによって救援物資を供給しづらくなっている。地震が発生する以前から、ハイチの半島南部では、医療施設の故障や供給の問題が多発していた。

首都の状況と今後の活動

首都のポルトープランスでは、幸いにも地震による建物の損傷がなかった。数年前からタバル病院で活動しているMSFは、被災地から12人の負傷者を受け入れた。テュルゴー地区では、けが人を安定させて他の病院へ搬送できるよう、MSFは総合診療センター(サクレクール病院)での活動を前倒しして開始し、1日で25人の負傷者を治療した。また予想される輸血不足に備えて、献血活動も始めている。

今後は被害が最も大きかった3つの県で、外科医を含む医療チームが研修を行い、援助を強化していく。 また医療品、水・衛生用品、テントなどの必需品もハイチへ空輸する予定。被害の甚大さから、MSFはこうした援助物資が必要だと判断した。

地震の負傷者を救うためMSFが行った献血の呼びかけに、ボランティアの人びとがすぐに集まった © MSF地震の負傷者を救うためMSFが行った献血の呼びかけに、ボランティアの人びとがすぐに集まった © MSF

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