シリア :無差別爆撃で病院も被害に——3人が亡くなり、6人負傷

2016年02月10日
爆撃に遭ったダルアーの病院 爆撃に遭ったダルアーの病院

紛争が続くシリア南部のダルアー県で、2016年2月5日夜、国境なき医師団(MSF)が支援している病院が爆撃され、3人が亡くなり、看護師1人を含む少なくとも6人が負傷した。

爆撃されたのはヨルダン国境から約12kmに位置するタファスの野外病院。病院の建物の一部が損壊し、救急搬送サービスが中断に追い込まれた。すでに住民2万人以上が町を出て周辺地域に避難する事態となっている。シリア南部では直近2ヵ月で空爆が激化し、医療施設の被害も相次いでいる。

病院スタッフは、空爆の負傷者の受け入れを手伝うために病院に向かい、到着して間もなく被害に遭った。「あっという間の出来事でした。爆発らしきものが見えたと思ったら辺りが真っ白になり、意識を失いました。血を流して倒れている私を同僚が運んでくれたそうです。両手足に重傷を負いました」

民間人・医療施設への攻撃停止を!

シリアの保健医療システムは5年以上も続く内戦で消耗している。今回の爆撃で事態はさらに悪化し、多くの人が医療の利用を阻まれている。南部では特に空爆とその被害が増加している。

無差別爆撃は民間人および医療施設に深刻な影響を及ぼすため、複数の国際組織が繰り返し停止を呼びかけている。しかし、中止されるどころか、内戦の新たな"基軸"となってしまったようにも見受けられる。2016年だけですでに13施設が被弾し、医療施設はもはや患者が安全に回復できる場ではなくなってしまった。

MSFは民間人の生命の保護と保健医療施設の尊重を紛争の全当事者に改めて求める。シリア内戦で相次いでいる医療施設への攻撃は、重大な国際法違反だ。その指摘も繰り返し伝え続けていく。

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