またしても国境なき医師団への銃撃事件が発生 カメルーン南西部

2021年02月15日掲載

カメルーン南西部、MSFの研修で負傷者の応急処置を学ぶ保健ボランティアら © Fanwi Antoinette Buinda/MSFカメルーン南西部、MSFの研修で負傷者の応急処置を学ぶ保健ボランティアら © Fanwi Antoinette Buinda/MSF

2月4日未明(現地時間)、カメルーン南西部で武装集団が国境なき医師団(MSF)の救急車に向けて発砲した。これにより看護師1人が負傷。MSFは、救急車であることが明示された車両とスタッフへの加害行為を断固として非難する。

カメルーンでMSFが銃撃を受けたのは初めてのことではない。約半年前には保健ボランティアが銃弾に撃たれ死亡した。近年増えつつある医療従事者や医療設備を標的にした攻撃は、あってはならない行為だ。

増える医療者への攻撃

今回の事件が起きたのは午前5時頃、ムバランギという場所で、MSFチームは銃撃戦に巻き込まれて重傷を負った人の搬送に向かう途上だった。救急車が被弾した後、2台目の車が派遣され、患者を病院へ搬送した。

MSFの救急車は3発の銃弾を受け、そのうちの1発がMSF看護師の下肢にまで届いたが、幸いかすり傷程度で済んだ。しかし昨年7月の事件では、痛ましいことに保健ボランティアの1人が殺害された。

この4年、カメルーン南西部にある北西州と南西州では、政府軍と分離独立派の間で武力衝突が続き、避難する人の数は70万人以上に達している。この危機によって多くの診療所が閉鎖または機能不全に追い込まれ、さらに医療施設や医療従事者が暴力の標的とされるようになった。

カメルーン南西部で、医療相談のために保健ボランティアの家に集まった人びと © Fanwi Antoinette Buinda/MSFカメルーン南西部で、医療相談のために保健ボランティアの家に集まった人びと © Fanwi Antoinette Buinda/MSF

ボランティアが避難地域の医療を支える

深刻な情勢不安のもと、安全のために多く人びとが林に身を潜めているが、MSFのような援助団体はこうした避難民の地域に立ち入ることができない。

そこで導入したのが、地元のボランティアの手で避難中の人びとへケアを提供するという方法だ。この保健ボランティアは各コミュニティの指導者によって選出され、MSFのトレーニングを受ける。そしてマラリアや栄養失調など、あまり複雑ではない疾患の診断と治療法を学び、地域に戻って医療を届けるのだ。昨年は北西州と南西州で合わせて15万件以上の医療相談を行い、現在も南西州では106人のボランティアが活躍している。彼らには活動への報酬が支払われ、MSF担当者から定期的な指導も行われる。 

南西州でMSF緊急コーディネーターを務めるパウロ・ミラネシオは、「このボランティアの人たちも、武装集団に攻撃を受けることがあるのです」と語る。

「彼らの安全を確保するために、各方面の関係者と協議を重ねています。保健ボランティアと救急車は、医療施設のない地域で重要な生命線を担っています。そのことを全ての関係者が理解する必要があります」

南西部の村でマラリアの症状がある赤ちゃんの相談を受ける保健ボランティア © Fanwi Antoinette Buinda/MSF南西部の村でマラリアの症状がある赤ちゃんの相談を受ける保健ボランティア © Fanwi Antoinette Buinda/MSF

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