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子ども、青少年、薬剤耐性を含む結核治療が新たなステージへ

2023年11月17日
2023年11月15日、パリで開催中のThe Union World Conference on Lung and Health 2023 (第53回世界肺の健康会議) にて、多剤耐性結核とリファンピシン耐性結核の短期治療法(レジメン)を比較する臨床試験、endTBの結果が発表された。

endTBは国境なき医師団(MSF)を含むendTBコンソーシアムが主導の、多国間の第III層ランダム化比較試験。同試験により従来の治療法と同等の効力と安全性を担保しながら、治療期間を3分の2まで短縮できる新しい薬物療法レジメンが発見された。今後の結核治療の基盤となる試験結果に、多剤耐性結核患者や結核高まん延国から期待が寄せられている。
 
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endTBについてはこちら(英文)
シエラレオネで結核の検査をうける子ども 🄫 Mary Dumbuya/MSF
シエラレオネで結核の検査をうける子ども 🄫 Mary Dumbuya/MSF

 また11月14日に世界保健機構(WHO)が発表した「子どもと青少年の結核終息に向けたロードマップ (WHO Roadmap towards ending TB in children and adolescents)」を受け、全ての結核高まん延国に対し、WHOのガイドラインの優先的な採用・実施を呼びかけている。

2022年に発表されたWHOのガイドラインは、子どもの症状だけで結核診断を下すための確認項目の採用、GeneXpert検査における便検体の推奨、非重度の薬剤感受性結核に対して6カ月から4カ月への治療期間の変更、また家庭内で結核患者と接触した子どもに対する3カ月間の予防治療の提供といった、より多くの子どもと青少年を結核から救うための重要な勧告を取り入れている。しかし、結核高まん延国のほとんどはこの勧告を十分に実施できておらず、MSFはこうした国におけるWHOガイドラインの早期採用やスタッフの研修、また先進国においてはより子どもに使いやすい診断ツールの開発を呼びかけている。
 
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