イベント報告

【イベント報告】ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2021連携企画

2021年06月19日

国境なき医師団(MSF)は、6月1日にアジア最大級の国際短編映画祭 ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)との連携オンライントークイベントを開催しました。MSF日本事務局長の村田 慎二郎と、SSFF & ASIA代表で俳優の別所哲也氏が、内戦10年が経過したシリアをはじめとする紛争地で続く医療への攻撃についてディスカッションしました。ライブ視聴、アーカイブ視聴合わせて1万人を超える皆さまに視聴いただき、沢山の投稿コメントをいただきました。

緊急医療援助と共に、現地で目の当たりにした人道危機を社会に伝え、国際社会に訴えていく「証言活動」がMSFの使命であり、近年は特に、映像を用いた証言活動も行っていることを受け、SSFF & ASIAをリードする別所氏からは「人道危機の現場で活動する医療従事者、そして現地の方々の声をどう映像の力で伝えていくのか。真実を伝えるために映像で何ができるのか、これからも探っていきたい」とのコメントがありました。

また、2020年に公開されたドキュメンタリー映画『娘は戦場で生まれた』の予告編や、同映画に出演している医師ハムザ・アルカティーブ氏のメッセージを紹介し、紛争により、地域住民が医療にアクセスできない悲惨な状況を映像で伝えました。

最後に、「今、私たちにできること」として村田は、「まずは知ることが大切だと思います。事実を知って、考えてみる。世界で起きている人道危機の現実を気にかけ、周りと話してみる。一人ひとりの心の動き、対話が、社会の流れを変えていくと思います」と呼びかけました。

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登壇者プロフィール

別所 哲也 氏

90年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。米国映画俳優組合(SAG)メンバーとなる。
その後、映画・TV・舞台・ラジオ等で幅広く活躍し、第1回岩谷時子賞奨励賞、第63回横浜文化賞を受賞。
99年より、日本発の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル」を主宰し、文化庁文化発信部門長官表彰を受賞。
内閣府「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」の一人に選出。
 
ⓒ MSF
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村田 慎二郎

国境なき医師団における日本人初の事務局長。大学卒業後、外資系IT企業での営業職を経て、2005年にMSFに参加。現地の医療活動を支える物資輸送や水の確保などを行うロジスティシャンや事務職であるアドミニストレーターとして経験を積む。2012年、派遣国の全プロジェクトを指揮する「活動責任者」に日本人で初めて任命され、シリアや南スーダン、イエメンなどで援助活動に関する国レベルでの交渉などに従事。以来のべ10年以上を派遣地で過ごす。2019年夏より、紛争地で人道援助が必要な人たちの医療へのアクセスを回復・維持するために医療への攻撃を止めさせるアドボカシー戦略を練ることをゴールに掲げHarvard Kennedy School(ハーバード・ケネディスクール)に留学。John F. Kennedy Fellow (ジョン・F・ケネディフェロー) として行政学修士(Master in Public Administration=MPA)を取得。
 

世界中の紛争地で医療・人道援助を行う国境なき医師団は、医療が攻撃対象となり、文字通り医療崩壊する状況を目の当たりにしてきた。医療が攻撃されれば、施設、医療従事者、患者が被害を受けるだけなく、その地域に暮らす多くの人たちが医療にアクセスできなくなり、命が脅かされる。国境なき医師団は、医療への攻撃がやまない現状を訴え、国際社会にさらなる取り組みを求める。  

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