ウクライナ:首都キエフと東部の病院に緊急医療物資を輸送

2022年03月07日
MSFの緊急医療物資の第一便がウクライナに到着した=2022年3月5日 © MSF
MSFの緊急医療物資の第一便がウクライナに到着した=2022年3月5日 © MSF

命を救う活動を、どうぞご支援ください。

寄付をする

※国境なき医師団への寄付は税制優遇措置(寄付金控除)の対象となります。

戦闘が続くウクライナで、国境なき医師団(MSF)は緊急医療物資を国内各地の病院に届けるための対応を進めている。3月5日、国外から輸送した物資の第一便がウクライナに到着。6日、首都キエフと東部の病院に向け運搬された。

時間との戦い

3月5日午後6時、国外からウクライナに物資が到着して数時間後、MSF緊急対応チームの一つはウクライナ国立鉄道理事長のオレクサンドル・カミシン氏と面会した。キエフの病院が喫緊に必要としている医療物資をMSFが確保していることを伝え、キエフへの輸送協力を求めたのだ。これに対し即座に回答を受け、夜中までに、医療キットと物資の第一便を積み込んだ列車の準備が整った。
 
現地でMSF緊急対応コーディネーターを務めるクリストファー・ストークスはこう話す。「速やかに動かなければなりません。キエフへの鉄道がいつまで続くか分からないので、時間との戦いです。速度と輸送量を考慮し、鉄道という手段を選びました」
 
戦闘で負傷した人たちに必要な医療物資として、集中治療施設・救急治療室・手術室で使用する器具・機器や医薬品などをまとめた外科キット、外傷キット、基礎必需品を運搬。総量は合計約40立方メートルとなった。

3月5日夜、キエフに向かう列車に物資を積み込んだ © MSF
3月5日夜、キエフに向かう列車に物資を積み込んだ © MSF

首都キエフに物資が到着

翌3月6日午後3時半、キエフの保健省が無事に物資を受領し、市内および東部の町の各病院に配送していることが確認された。東部の町では負傷者が増え続け、物資が急激に不足しつつある。
 
激しい戦闘が続いている地域では、多くの病院から医療物資を求める声が強まっており、MSFは必要なものを必要な場所へ届ける道を探っている。国外からの後続のMSF物資は今後数日内に届き、医薬品の補給を拡大できる見通しだ。さらに、モルドバ、ハンガリー、ポーランド経由で、紛争地での経験がある医療チームのウクライナ入りも進んでいる。
 
「この戦争は非常に苛烈です。外科チームの派遣に立ちはだかる壁は大きいですが、できることを何とか探しています。本格的な医療援助を立ち上げるまでは、物資の提供が必要です。病院へ物を運ぶだけでも大変ですが、私たちはいま急速に活動を広げています」

物資はこれから各病院へと運ばれる © MSF
物資はこれから各病院へと運ばれる © MSF

命を救う活動を、どうぞご支援ください。

寄付をする

※国境なき医師団への寄付は税制優遇措置(寄付金控除)の対象となります。

この記事のタグ

関連記事

活動ニュースを選ぶ