コンゴ民主共和国:銃撃を受けた国境なき医師団のスタッフが死亡──紛争当事者に人道援助の尊重を求める

2025年02月25日
© iAko M. Randrianarivelo/Mira Photo
© iAko M. Randrianarivelo/Mira Photo

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)で活動する国境なき医師団(MSF)のスタッフであるジェリー・ムヒンド・カバリが、2月22日に死亡した。北キブ州のマシシでは「VDP/ワザレンド」と「3月23日運動(M23)/コンゴ川同盟(AFC)」の戦闘が続いており、カバリは2月20日にMSFの施設で銃撃を受けた。21日には高度な治療を受けるため州都ゴマの病院に搬送されたが、22日に息を引き取った。
 
MSFは彼の死を悼むとともに、すべての紛争当事者へ対し人道援助を尊重するよう求める。

暴力にさらされる医療施設

カバリは49歳で、2014年からMSFで活動。献身的な姿勢と揺るぎない信念で援助活動に取り組み、笑顔の絶えない人柄で多くの人から慕われていた。

MSFは、コンゴ東部の医療施設や人道援助施設への暴力が増える中で、カバリが無残に殺害されたことに怒りを表明する。

コンゴ東部ではこのような事件が日常となりつつある。MSFは、この紛争において人道援助が尊重されていないことを強く非難し、戦争にもルールがあることをすべての紛争当事者へ改めて訴える。

現在もMSFの施設とマシシ病院は、戦闘から逃れて避難している家族と、治療を受けた患者であふれている。多くはこの数日間に激化した暴力の被害を受けた女性や子どもだ。2月20日だけでも11人が病院で銃創の治療を受けたが、全員が民間人で、7人は女性と子どもだった。

MSFは2007年からマシシ保健区域で活動し、マシシ病院、マシシ診療所など複数の医療施設を支援している。  

戦闘から逃れ、MSFが支援するマシシ総合病院に避難した人びと=2025年1月9日 © MSF
戦闘から逃れ、MSFが支援するマシシ総合病院に避難した人びと=2025年1月9日 © MSF

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