海外派遣スタッフ体験談

イラクの新生児の命を守る

大滝潤子

ポジション
手術室看護師
派遣国
イラク
活動地域
ナジャフ
派遣期間
2012年11月~2013年6月

Qなぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

高校生の頃NGOの活動に参加し、今後もこのような活動を続けていきたいと思っていました。看護師の道を選び、医療に携わるようになってからは、さらに途上国での医療に貢献したいという思いが強くなり、将来参加してみたいNGOを探していたのですが、MSFがまさに私の理想としていた場所でした。海外留学で英語を勉強し、帰国後MSFに応募しました。

Q今までどのような仕事をしていたのですか?どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

内科病棟と手術室で勤務をしていました。イラクでは、手術室と産後病棟で勤務しましたが、特に手術室では、日本で学んだオートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)の取り扱い方、手術器具の滅菌方法や実際を知っていたので、それが役に立ったと思います。

Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?どのような業務をしていたのですか?
産後病棟で新生児の健康状態をチェックする 産後病棟で新生児の健康状態をチェックする

イラクの新生児死亡率の低下を目指し、ナジャフの保健当局が運営する病院とそのスタッフをサポートするプログラムでした。主には能力育成の支援です。手術室では基本的な清潔操作からマネジメントまで、幅広く関わっていました。また産後病棟では、現地の看護師が基本的な看護ケアを知らないことが多かったので、体温、脈拍、血圧の値であるバイタルサインや、患者の情報を収集・把握する看護アセスメントのトレーニング、基本業務の慣例化やマネジメントなどに携わりました。

Q週末や休暇はどのように過ごしましたか?

セキュリティ上、基本的に外出することが難しかったので、同僚とテレビや映画を鑑賞したり、料理をしたり、エクササイズをしていました。

Q現地での住居環境についておしえてください。

大きな一軒家にチームの同僚と住んでいました。基本的には個室ですが、人数が多い時には寝室を2人でシェアすることもありました。

Q良かったこと・辛かったこと

良かったこと:
8ヵ月間活動地にいましたが、チームのメンバーが素晴らしく、いつもいろいろなことをシェアし素晴らしい時間を過ごしました。私にとっては最も大切なことだったと思います。また仕事では、1つのことを達成するのもとても大変だったため、ある程度の成果が見られた時は飛び上がるほど嬉しかったです。

悪かったこと:
フラストレーションの多い職場だったので、ストレスが溜まりやすかったです。自分でいかにストレスをコントロールするのかがとても大切だったのと、私の場合は、チームのメンバーととても仲がよかったので、ストレスはある程度彼らと分かち合っていました。

Q派遣期間を終えて帰国後は?

帰国してからすぐにアメリカで休暇をとり、少しゆっくり休養してから、次の活動に参加させていただきたいと思っています。

Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

最初は何かしら不安なことが多く、参加したい気持ちは強くても実際に応募するまでに時間がかかる方もいるかもしれません。私もそうでした。しかし、着実に自分の中でスケジュールをたて、目標に向かっていくことが大切だと思いました。

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