世界難民の日:ウガンダは"難民"を積極的に受け入れている
2017年06月19日6月20日は世界難民の日です。
「難民」という言葉から、今なら地中海をわたって欧州を目指す人びとを想像するかもしれません。しかし、欧州全体が2016年に受け入れた難民数を超える規模で受け入れをしている国があります。それがウガンダです。
隣国の南スーダンでは現在も内戦が続き、大勢の人びとが国境地帯の各地点からウガンダに入国してきています。彼らを難民キャンプまで移送し、人道援助や生活基盤を提供する。これがウガンダの政策です。そして国境なき医師団(MSF)は、保健省と連携して各地の難民キャンプ内で医療を提供しています。
こうした取り組みがあることをお伝えしたく、フォトギャラリーにまとめました。難民問題について一緒に考えてみませんか?
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© Frederic NOY/COSMOS バスに乗っているのは南スーダン各地から逃れてきた人びと。
ウガンダ国境で保護され、食事の提供を受けたあと、バスでキャンプの受付へと送られる。
国境から数時間の道のりを経て、彼らは「難民」となる。 -
© Frederic NOY/COSMOS ウガンダ国内に設置されている難民キャンプの1つ、ビディビディ。
メインストリートの脇に広がるゾーン2の上空に厚い雲がたれこめてきた。
風も次第に強くなり、豪雨になることを予感させる。 -
© Frederic NOY/COSMOS 難民キャンプといっても、衣食住、人間の生活は変わらない。
配給された数家族分の食糧をわけあう女性たち。
食糧と清潔な水の確保が大人たちの最大の関心事だ。 -
© Frederic NOY/COSMOS 一方、子どもたちはどんな環境でも"楽しみ"を見つけ出す。
給水ポイントで身体を洗ったり洗濯したりすることもその1つ。
病気の発生を予防するためにも、清潔な水を十分に確保することが大切だ。 -
© Frederic NOY/COSMOS 難民キャンプのなかで散髪屋さんを始めた少年。
どこから集めたのか、ヘアカットの見本を店内に飾り、バリカンを備えて客を待つ。
「生活」の形ができてくるということは、それだけ難民生活が長いことを意味している。 -
© Frederic NOY/COSMOS 衣食住に加えて、生きるために重要なもう1つの要素、それが医療だ。
故郷でも、そして避難中も、十分な医療を受けられなかった人ばかり。
そこでMSFが、健康診断や基礎医療などを無償で提供している。 -
© Frederic NOY/COSMOS 子どもたちは必要な予防接種を受けていないことが多い。
栄養状態が悪く、病気がすぐに命の危機に直結してしまうケースも。
予防接種や栄養治療の対象者を早期発見することも重要な援助活動だ。 -
© Frederic NOY/COSMOS 見詰め合って微笑む男の子とお母さん。
今は栄養失調でやせ細っている男の子も、適切な治療によって数週間での回復が見込める。
だからお母さんは笑顔を見せることができたのかもしれない。 -
© Frederic NOY/COSMOS 難民キャンプで新たに誕生する命もある。
胎児の心音を産科聴診器(トラウベ)で確認するMSFスタッフ。
生活のすべてがぎりぎりの環境下での出産は、文字通り命がけだ。 -
© Frederic NOY/COSMOS ウガンダにはこうした難民キャンプがいくつも設置されている。
アフリカ大陸で最大の受け入れ国で、その数は欧州全体の受け入れ数よりも多い。(2016年)
写真の男性は地主で、難民キャンプの拡張のために所有している土地の一部を提供した。 -
© Frederic NOY/COSMOS 地中海をわたる難民に対して、世界中でさまざまな議論が起きている。
一方、ウガンダのように、援助の限界に直面しながらもできる限りの受け入れを続けている国もある。
MSFが設置した給水タンクの周りで、子どもたちが楽しそうにかけまわっていた。