早期発見で予防 デング熱の大流行を食い止めたい

2019年06月13日掲載

デング熱にかかった5歳の女の子(右)© Francesca Volpiデング熱にかかった5歳の女の子(右)© Francesca Volpi

デング熱が流行しているホンジュラス北部のコルテス県。国境なき医師団(MSF)はサンペドロスーラ市にあるマリオ・カタリーノ・リバス国立病院で、デング熱流行を抑えるための活動を拡充している。 

全国で確認されたデング熱患者

デング熱にかかった子どもの保護者と話すMSFのスタッフ(中央)© Francesca Volpiデング熱にかかった子どもの保護者と話すMSFのスタッフ(中央)© Francesca Volpi

ナショナル・エピデミオロジカル・ニュースレターによると、2019年の第1週から第17週の間に6883件のデング熱症例が全国で報告された。このうち、2111件は重症の疑いがあるケースだった。症例数合計のうち61%はコルテス県で報告されていた。

MSFはマリオ・カタリーノ・リバス国立病院に、小児科医、医師、看護師、看護助手を派遣。小児病棟とチョローマ市内の診療所を支援している。

チョローマ市は、コルテス県内で最も感染者が多かった市町村の一つ。治療を受けているデング熱患者の大半が、ここの住民だ。MSFはチョローマ市で2月に活動を開始。殺虫剤噴霧と健康教育を7週間かけて実施した。 

MSFスタッフ「以前の流行とは違う」

治療を受ける7歳のデング熱患者 © Francesca Volpi治療を受ける7歳のデング熱患者 © Francesca Volpi

「今回のデング熱の流行は、以前の流行とは違います」と医療活動マネージャーを務めるジェシ・フェルナンデス医師は話す。

「今回の流行には不規則な変動があり、症例数の多い週があるかと思うと他の週では減るなど、流行に波があります。デング熱小児病棟では、1日に20件の症例を受け入れる計画でしたが、50人もの患者を毎日治療していた週もありました。そこでMSFは、病院を支援することにしたのです」

MSFはこれまでに、デング熱患者を852人治療。うち124人は重症と診断された。また、16人がデング熱に関連して併発した病気で亡くなった。

デング熱の予防について伝える

デング熱を防ぐために何をしたらいいか子ども達に伝えるMSFのスタッフ © Francesca Volpiデング熱を防ぐために何をしたらいいか子ども達に伝えるMSFのスタッフ © Francesca Volpi

フェルナンデス医師によると、MSFは感染地で同時に3つの活動に取り組んできたという。

「一つ目は啓発活動と教育です。誰でもデング熱と健康への影響について知っているようにしました。二つ目は全ての家庭を訪問して蚊の繁殖地がないか確認し、繁殖の可能性がある場所には殺虫剤をまいて、蚊の羽化を防ぎました。三つ目は、人びとの家屋や裏庭に薬剤をまく成虫駆除です。この3本柱によるアプローチで、デング熱の感染拡大防止に努めました」

MSFは、医師と看護助手をチョローマ市内の診療所に派遣して、デング熱患者の早期発見と症例管理を支援。健康教育担当も人びとの元に足を運び、蚊の繁殖の予防や、蚊に刺されないようにする方法など、デング熱予防に関する情報を人びとに伝えた。こうした活動により、MSFはホンジュラス北部における流行を食い止められるよう目指す。 

デング熱は、熱帯と亜熱帯に位置する都市と近郊で報告されていて、水たまりで繁殖する蚊を媒介して広まる。デング熱はホンジュラスの風土病であり、4~5年ごとに流行。2015年にテグシガルパ市で起きた前回の流行では、MSFは大学病院で医療当局を支援。2013年にも、サンペドロスーラ市にあるマリオ・カタリーノ・リバス国立病院を支援した。 

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