海外派遣スタッフ体験談
チームのダイナミズムを感じた瞬間
竹中 裕
- ポジション
- 産婦人科医
- 派遣国
- ナイジェリア
- 活動地域
- ジャフン
- 派遣期間
- 2017年6月~2017年7月

- Q国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?
-
今回、一緒に活動した仲間たち
MSFの活動がライフワークなので。常に参加したいと考えていましたが、仕事のことなどもあり、最後の活動(ナイジェリア)から4年ぶりとなりました。
- Q派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?(技術向上やトレーニング、語学力向上、その他の準備など)
-
特に準備はしていません。
- Q過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?
-
手術室の様子
今回が計8回目の派遣だったことと、ナイジェリアのジャフンは以前にも2回派遣されたことのある場所だったので、仕事の内容はだいたい予想できました。今までの活動における産科救急の対処の経験が役立ちました。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
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産科救急プロジェクトの手術室チーム
産科救急プロジェクトです。産婦人科医として、産科救急症例の対応にあたりました。外国人派遣スタッフの産婦人科医が2人、現地の一般医が8人でした。
この8人がいろいろできる医師たちだったので、協力して業務にあたりました。手術症例については現地の医師たちに教えながら(助手をするなどして)進めていました。
外国人派遣スタッフが15~20人ほどいるわりと大きなプロジェクトです。開始からすでに8年程度の歴史があり、さまざまな症例があって比較的忙しく、救急疾患も多くて、かつ搬送先がない、臨床医として実力が試されるプロジェクトだと思います。
また、アフリカの中でも医療が行き届いていない地域ということで、産婦人科医にとっては、ここでやっていければおそらくほかでも大丈夫だろう、という登竜門的なプロジェクトになっています。
- Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか? また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?
-
外国人派遣スタッフが2人いたことと、ナイジェリア人の産婦人科専門医が週3回、当直に来てくれていたので、日中の業務と当直を分担して進められました。勤務外はだいたい寝ていました。
- Q現地での住居環境についておしえてください。
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前回派遣された4年前にはなかったクーラーが各部屋に設置されており、とても快適でした。通信速度は遅いものの、インターネットを使うことも可能でした。食事も3食、おいしく食べることができました。
- Q活動中、印象に残っていることを教えてください。(学んだこと、苦労したこと、新たな発見など)
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初めて、死戦期帝王切開(※)を行いました。麻酔科医、現地の医師、助産師、手術室のスタッフなどとのチームのダイナミズムを感じました。歩いて退院したときは非常にうれしく思いました。
- 心肺停止に陥った妊婦を蘇生させるための緊急帝王切開
- Q今後の展望は?(次回の派遣を考えている方は、それまでにしたいこと、新たな挑戦など)
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8月~10月は船医として勤務します。11月以降はMSFからの派遣要請を待ちます。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
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とにかく英語(あるいはフランス語)を勉強するべし。
MSF派遣履歴
- 派遣期間:2013年9月~2013年10月
- 派遣国:ナイジェリア
- プログラム地域:ジャフン
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2013年7月~2013年9月
- 派遣国:ソマリア
- プログラム地域:ソマリランド、ブラオ
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2012年11月~2013年2月
- 派遣国:シエラレオネ
- プログラム地域:ボー
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2012年7月~2012年8月
- 派遣国:南スーダン
- プログラム地域:アウェイル
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2012年2月~2012年4月
- 派遣国:パキスタン
- プログラム地域:ペシャワール
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2012年2月~2012年2月
- 派遣国:スリランカ
- プログラム地域:ムライティブ県
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2011年9月~2011年11月
- 派遣国:パキスタン
- プログラム地域:ペシャワール
- ポジション:産婦人科医
- 派遣期間:2011年6月~2011年7月
- 派遣国:ナイジェリア
- プログラム地域:ジャフン
- ポジション:産婦人科医