熊本地震:支援の届いていない立野の避難所で診療
2016年04月21日
現地の医師と連携して活動している
熊本地震の緊急対応で活動中の国境なき医師団(MSF)の現場チームは、4月20日、南阿蘇村立野地区の避難所となっている旧立野小学校にテント式仮設診療所を設置した。医師と看護師が常駐し診療を始める予定だったが、21日、旧立野小学校の避難所には大雨による避難指示が出され、MSFのチームは今後の活動について検討している。
避難所と周辺地域の医療ニーズに対応

立野地域は南阿蘇の中心地から川を渡った場所にあり、地震によって橋が倒壊したため、限定的な支援しか行き届いていなかった。特に医療面では、地震後6日を経た4月20日までほとんど支援が行われていない状況にあった。20日の時点で、旧立野小学校には150人が避難している。
仮設診療所の本格的な稼動を前に、20日、チームはすでに診療を始めていた。避難直後に発熱して食欲が落ちている男児や、車の中で過ごしていたため足のむくみがひどくなった男性などに対応したほか、この地域で自宅に待機している人びとの医療ニーズを調べるため、地元の消防団とともに周辺住宅を視察。ある夫婦は、日中は自宅で過ごしているが夜は余震が心配で避難所に来ていると話した。