熊本地震:避難所で開設支援した診療所が開所
2016年04月20日
熊本地震の緊急対応で、国境なき医師団(MSF)の現地チームは4月20日、南阿蘇村北部に位置し、道路の寸断などから医療へのアクセスが難しいとみられる立野地区において、診療所開設に向けて具体的な準備を開始した。
南阿蘇村の白水庁舎内では、他団体が診療所を開設するにあたり、MSFが持つ緊急時の医療施設設置に関する知識提供や実務支援を行った。この診療所は本日開所となり、近隣の避難所にも周知されている。
南阿蘇村全域における小児医療アドバイザーとして

2歳の男の子ジョージ君と話すMSFの医師
MSFのチームは村内の各地区に設けられた避難所を訪問し、衛生環境の視察と聞き取り調査、および施設側への改善提案などを行った。MSFは南阿蘇村全域における小児医療のアドバイザーの役割を担い、各避難所における小児の健康状態について聞き取りを行った。
チームが訪問した避難所の1つ、南阿蘇村立西小学校に設けられた避難所には幼児のいる5世帯が身を寄せている。英国から南阿蘇村に帰省した直後に被災したという女性は、6歳と2歳の男の子とともに不安な夜を過ごしていたが、「小児科のお医者さんがいてくれると思うと心強い」と、ほっとした表情を見せた。
この週末にかけては、薬剤師1人、臨床心理士1人、小児科医1人に加え、現地で人事・財務を担当するアドミニストレーター1人も現地入りする。