事務局からのお知らせ

「コンゴ民主共和国におけるエボラ流行に対する緊急人道医療援助」に日本政府からの資金拠出を受け入れ

2020年03月03日

国境なき医師団(MSF)は2月14日、「コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱流行に対する緊急人道医療援助」において、日本政府(外務省)より総額2,647,045米ドル(約2億9000万円)の拠出を受けることとなり、書簡の交換を実施しました。

コンゴ民主共和国(以下コンゴ)北東部では、2018年8月1日にコンゴ保健省がエボラ流行宣言を出して以来、今なお流行を抑え込めずにいます。世界保健機関(WHO)は2019年7月18日、この状況が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」にあたることを宣言。WHOの発表によると、2020年2月2日までに2250人がエボラに関連して亡くなっています。

MSFはコンゴ北東部にて、エボラ治療センターを運営するとともに、既存の病院等に一時受け入れ施設を設けています。また、医療施設及び医療従事者の感染予防・制御(患者のスクリーニング、消毒・除染)、ワクチン接種、住民への啓発活動を行っています。同地域でははしかの流行も深刻であり、既存のヘルスセンターや病院にてエボラ以外の医療活動の継続・拡充も支援しています。

MSFは地域住民のニーズを聞き取り、エボラ出血熱の治療を含め、患者が必要としているさまざまな医療を受けられるように徹底していくことを目指しています。これを実現するために、MSFは現地の医療機関を支援し、エボラへの対応を既存の医療体制に組み込み、地域住民がこれまで利用してきた身近な医療施設で診察や医療を受けられるように援助活動を行っています。

MSFでは、活動の独立性と透明性を保ち、緊急援助をニーズに基づいて独自に決定し、より柔軟に実施するため、活動資金のほとんどを民間からの寄付でまかなっています。2018年には、630万の民間支援者からの寄付が全収入の95%を占め、公的機関からの資金は1.3%でした。MSF日本でも、2019年の収入の96%が民間からの寄付で占められています。各国政府を含む公的機関からの資金協力に関して、MSFは明確な方針を定めており、公的資金の受け入れ割合について上限を定めるとともに、各国の人道政策、紛争への介入等に鑑み、受け入れる資金を活動ごとに慎重に検討しています。また、アフガニスタン、イエメン、シリアでの活動およびシリア難民援助などは、完全な中立性、独立性を確保するため、民間からの資金のみで運営しています。日本以外では、現在、カナダ、スイス政府からの資金提供を受け入れています。

北キブ州ベニのエボラ治療センターにて、高リスクゾーンに入る準備をするMSFスタッフ  © Samuel Sieber/MSF
北キブ州ベニのエボラ治療センターにて、高リスクゾーンに入る準備をするMSFスタッフ  © Samuel Sieber/MSF

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