海外派遣スタッフ体験談
医療を通じて世界とつながる
安藤恒平
- ポジション
- 外科医
- 派遣国
- イエメン
- 活動地域
- ハミール
- 派遣期間
- 2012年9月~2012年10月
- Qなぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?
-
海外の人たちと、医療を通して理解し合いたかったからです。
派遣先の現地の方々もそうですし、同様に世界各国から集まってきた人たちともです。
また、今、世界でどういうことが起こっているのかを、自分の五感で感じたいからです。
それまで、同じ空の下、地球の上で、テレビで放映されているようなことが現に起こっているとは、全く実感が持てていませんでした。戦争の恐怖も同様です。
- Q今までどのような仕事をしていたのですか?どのような経験が海外派遣で活かせましたか?
-
ここ最近は、救急医として国内の市中病院で働かせてもらっています。
今回は3度目の派遣になり、何よりも1度目、2度目のMSF海外派遣経験が生きていると感じました。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?どのような業務をしていたのですか?
-
活動地は大きな町から離れている場所で、部族間の問題などがあり、治安がよろしくないところでした。そのため、地域の方々は、緊急時に病院に行けないことがあります。
活動プログラムでは、そういう急を要する方々の内科・外科的治療を行っていました。また、栄養失調の子供の全身管理もプログラムに含まれていました。出産に関する医療援助も行っており、専用の建物を用意していました。
私はその中で、外科的治療の部門を担当しました。銃創、刺創、交通外傷による各種骨折、解放骨折、急性腹症、難産に対しての帝王切開などです。また、病棟の入院患者さんの管理も麻酔科医と一緒に行っていました。
- Q週末や休暇はどのように過ごしましたか?
-
イスラム圏なので、金曜日のみお休みです。金曜日は手術を予定せず、午前中に回診し、オフィスに戻って本を読んだりしていました。連日、夜は皆で映画を見ていました。
- Q現地での住居環境についておしえてください。
-
ベッド付きの個室でした。毎日、家政婦さんが掃除してくれるのできれいでした。バスルームは共同ですが、並んで待つようなことにはならないほど、たくさんあります。
1度だけ、お腹を壊し、しばらく食欲が無かったことがありました。
食事は家政婦さんが作ってくれており、鶏肉料理や各種野菜炒めなど、美味しかったです。クッキーやジュースなどもたくさん作ってくれて、極めて充実していました。
- Q良かったこと・辛かったこと
-
イスラム圏の温かく人懐っこい人柄にふれられたことでした。患者さんやその家族とも、よくよく相談しながらの治療です。あまり有益とは思えない意見が出たとしても、あえてそれに医学的正論で反論するのではなく、可能な範囲で相手の意見を尊重しての治療を行いました。そういった医師患者関係を相互理解の中で築けたことは良かったです。
辛かったことは、夜寝ているときに耳元でうなる蚊とハエです。
- Q派遣期間を終えて帰国後は?
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また、元の病院で救急医として、しばらく勤務します。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
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最初からいきなり何でもできるわけではありませんから、今回できなかったことを、次回できたことに変えていければいいと思います。
外科系についての詳細なアドバイスは多々ございますので、オフィス経由でご連絡いただければ、出来る限りの情報をご提供いたします。press@tokyo.msf.org
MSF派遣履歴
- 派遣期間:2012年3月
- 派遣国:パキスタン
- プログラム地域:ハングー
- ポジション:一般外科
- 派遣期間:2011年3月~5月
- 派遣国:ナイジェリア
- プログラム地域:ポートハーコート
- ポジション:一般外科