海外派遣スタッフ体験談

慣れない業務に戸惑いながらもベストを尽くす

福島 紘平

ポジション
薬剤師
派遣国
南スーダン
活動地域
アウェイル
派遣期間
2016年5月~2017年2月

Qなぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

20代の頃からの夢でした。自分のスキルを生かし、何か貢献出来る事はないかと考えていました。

Q派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?

語学力が少しでも上がるようにオンライン英会話は続けました。また、現地の状況を知るために、現地に詳しい方々からアドバイスを頂きました。あとは、ひたすら日本食を食べていました。

Q今までどのような仕事をしてきましたか?また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

日本の総合病院で経験を積んだのち、青年海外協力隊としてパプアニューギニアの病院で活動をしてきました。パプアニューギニアで多少なりとも医療物品(医薬品のみならず医療器具も)の知識がついた事は、MSFでの在庫管理を行なう上で多いに役立ちました。

Q今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
現地の薬局スタッフとともに 現地の薬局スタッフとともに

小児科、産科を中心とし、拡大予防接種計画(EPI)の実行や、手術室(帝王切開含む)、移動診療などを有する多岐にわたったプロジェクトでした。現地スタッフ300〜400人、外国人派遣スタッフ20〜30人が活動をしており、薬局部門は3人の薬局スタッフと2人の調剤スタッフから構成されます。

扱う症例としては栄養不良やマラリア、骨折、火傷、1型糖尿病、破傷風、狂犬病など幅広く対応していました。そのような大きなプロジェクトであったため、薬局では1000種類以上の医療物品を管理し、また病院内の10以上の部門に医療物品を供給していました。

Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?
クリスマスにはスタッフみんなでパーティーも クリスマスにはスタッフみんなでパーティーも

午前8時から業務を開始し午後5時に薬局を閉めますが、やるべき事が多く午後7~8時くらいまでは働いていました。また、毎日待機当番であったため、平日の夜、さらには土日も病院から呼ばれる事が多々ありました。

勤務外の時間に関しては、外国人派遣スタッフとバレー、ランニング、外食をしたり、またクリスマスやハロウィン、感謝祭などのパーティーをしたり楽しく過ごしました。現地スタッフともコーヒーを飲みに行ったり、家に招待してもらったりもしました。

Q現地での住居環境について教えてください。

現地ではトゥクルというアフリカ式の小さな建物が各自与えられていました(外国人派遣スタッフの人数が多いときは相部屋にもなります)。キッチン、シャワールーム、トイレ(汲み取り式)は共同でした。インターネットが比較的安定していたため、日本の家族や友人と容易に連絡が取れたのは非常に良かったです。

Q活動中、印象に残っていることを教えてください。
病棟での医薬品管理業務 病棟での医薬品管理業務

活動中はベストを尽くしました。チームのなかで一番遅くまで働いている事も多かったかと思います。ただ、言語の壁、初めてのマネジメント業務、慣れない在庫管理などにより、自分としては満足の出来るパフォーマンスではないといつも感じていました。そんな中、上司にあたる医療チームリーダーが「大変な中いつも笑顔で対応してくれてありがとう。チーム全体に良い影響を与えている」と声をかけてくれた事が印象的で救われました。業務をこなす事だけがチームへの貢献ではない事に気付かされました。

Q今後の展望は?

今回が1回目の活動で、語学力不足、熱帯病や医療物品全般の知識不足、現地スタッフへのマネジメント力不足などを感じました。2回目の活動参加に向けて、それらを少しでも解消できるよう勉強していきたいです。

現在は、3ヵ月の長崎大学熱帯医学研修課程に参加中です(2017年5月)。次の活動ではより満足のいくパフォーマンスをしたいと思います。

Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

特に薬剤師の方へ。日本での薬剤師業務とはまるで異なる仕事内容になります。医療物品すべてを扱う薬剤師は、病棟のみならず全部門との関わりがあり、チームの要といえます。責任も重く大変な事も多いですが、日本とは異なるやりがいを実感できると思います。ぜひ挑戦してみて下さい。

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