海外派遣スタッフ体験談
日本の「当たり前」は通用しない!
八木橋伸
- ポジション
- 薬剤師
- 派遣国
- スーダン
- 活動地域
- アウェイル
- 派遣期間
- 2008年11月~2009年6月

- QなぜMSFの海外派遣に参加したのですか?
-
日本での経験、海外での経験を生かして、自分に何ができるかを挑戦してみたかったので。
- Q今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?
-
インターナショナルチーム(海外派遣者チーム)
病院薬剤師、調剤薬局、青年海外協力隊での薬剤師としての活動をし、多くのスタッフと仕事をしてきました。それは国境を越えて、異なる生活空間、習慣、考え方を持つスタッフと医療活動と言う同じ行動をする上で、役に立ちました。もちろん戸惑うことも多々ありましたが、場所が違えば、考え方が異なる事は当たり前だ、と思っていましたので、今回の派遣で頭を切り替えて最善の方法を模索する楽しみに目覚めたのが事実です。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
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私が参加したプログラムは母子の健康を向上させるためのもので、その地域には唯一と言っていいような、スーダンの国の病院の一角をお借りしての病院活動でした。仕事内容は、薬局の倉庫の在庫管理、各病棟の薬の管理の指導、薬品の不正使用防止のモニタリング、医薬品の発注、寄付などの申し込みなどです。
- Q週末や休暇はどのように過ごしましたか?
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派遣されたのが内陸で、乾季の最中でした。暑い、ただこの一言が全てを物語る中、唯一我が薬局はエアコンが完備されていました。もちろん、薬の保存のためですよ。当然の様にスタッフは集まります。でも仕事中は無理。なので、週末は白いシーツとプロジェクターを用意して、映画鑑賞をしました。後は、他のNGOのスタッフと情報交換や、マーケットの散策などを楽しみました。
- Q現地での住居環境についておしえてください。
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左がシャワーで右トイレ!
ちなみにシャワー室は鏡付きテントです。ベッドと机と電気コードを引っ張り入れて、少しでも環境を良くしました。24時間の電気供給はありません。ジェネレーターで電気を作っていましたので。トイレは20年くらい前の日本なら当たり前のぼっとんトイレ。シャワーはバケツが常識でしたが、我が宿舎にはシャワーがありました。もちろん、電気はないので、重力を利用したシャワーです。食事や洗濯はやってもらえますし、自分でやっても大丈夫でした。
- Q良かったこと・辛かったこと
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日本で考える想定内の事は起こりません。日本の当たり前は通用しないと言う事です。なので、想定外が主です。仕事、衣食住、人間関係なでの全てにおいて、想定外が支配する中、どうやって切り抜けていくかが楽しく、出来た時の充実感は大きいと思います。これが、良くもあり、辛い所でもあります。
- Q派遣期間を終えて帰国後は?
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しばらくは休みます。充電期間を設けて次のステップを決めていきたいと思います。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
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頭で考える事は唯一つ。派遣希望の動機をしっかり文章にして下さい。自分の考えを文章にして改めて眺めてみて下さい。派遣後の事は、日本で考えても仕方ありません。何が起こるか分からないし、皆さんはもう資質を備えているので、現地で実践してスキルアップする方が現実的だと思います。
MSF派遣履歴
- 派遣期間:2008年11月~2009年6月
- 派遣国:スーダン・アウェイル
- ポジション:薬剤師