海外派遣スタッフ体験談

複数のプログラムで医薬品を管理

神田紀子

ポジション
薬剤師
派遣国
チャド
活動地域
ンジャメナ
派遣期間
2010年1月~2010年6月

QなぜMSFの海外派遣に参加したのですか?

ヨーロッパにいたとき、アフリカの情報をニュースで見たり、実際に行ってきた人から話を聞いたりして興味を持ちました。本当のところどうなのか見てこようと思いました。

Q今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

2年ほど夫の仕事の都合で海外に住んでいました。日本に帰国してすぐMSFに登録し、派遣されるまでは薬局で薬剤師として働いていました。日本でしていた薬剤師の仕事とMSFでの職務内容は全然違います。薬の用量設定からして違うので、一つずつ確認しなければなりませんでした。

Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
オフィスで撮影。このメンバーでンジャメナの薬局の棚卸を
しました。左からアレクシ(調剤技師)、アレクシ(看護師)、
エチエンヌ(看護師)。

首都にいて、プログラムで必要な薬の在庫管理を監督する仕事です。発注・検収・保管状態のチェック・棚卸・使用状況のチェックなど。派遣中に緊急対応プログラムが始まり、必要な薬をほかのプログラムや政府から借りて急場をしのぎました。
チャドでは、在任中、次のプログラムにかかわりました。

  • 東部国境地帯の難民キャンプでの一次・二次医療活動
  • 南部での大規模なアフリカ睡眠病(アフリカ・トリパノソーマ症)のスクリーニング
  • 南部での髄膜炎の集団予防接種(緊急対応プログラム)
  • ンジャメナでのはしかの集団予防接種(緊急対応プログラム)
  • 中北部での栄養治療プログラム
  • 南部でのマラリア予防・治療プログラム
Q週末や休暇はどのように過ごしましたか?

プールで泳ぐ。プールサイドで読書。料理などです。

Q現地での住居環境についておしえてください。

首都でコーディネーションチームと一緒に一軒家に住んでいました。コックさんは、いままでで一番料理じょうずで、毎日ランチに出てくるデザートが楽しみでした。

Q良かったこと・辛かったこと
薬局で棚卸中の1枚。錠剤を数えているところ。電力供給が
十分ではなく、エアコンなし。扇風機とまばらな蛍光灯の下
で作業中。気温は31度くらい(かなり涼しいレベル)。

短期間で多くのプログラムが立ち上がり、それらすべてにかかわれたので大変勉強になりました。チームの雰囲気がよく、辛いことがあっても愚痴を聞いてもらったり、気晴らしに誘ってもらったりと助けられました。
一方、セキュリティの問題で現場を訪問できない地域があり、実態を把握できず、もどかしい思いをしました。暑さと停電のため、ワクチンの温度管理には泣かされっぱなしでした。

Q派遣期間を終えて帰国後は?

薬局で働いています。

Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

何かうまくいっていないことがあっても、自分だけで抱え込まないように。言葉の壁のせいだけではありません。じつは他の人もそう思って悩んでいます。話しやすい人を見つけてください。フィールドにいなければ東京に電話してください。

MSF派遣履歴

  • 派遣期間:2008年9月~2009年1月
  • 派遣国:エチオピア・南部諸民族州
  • ポジション:薬剤師

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