海外派遣スタッフ体験談
その土地の人びとを理解して援助を提供する
高橋 央
- ポジション
- 助産師
- 派遣国
- ラオス
- 活動地域
- フアパン県
- 派遣期間
- 2013年7月~2013年12月

- QMSF(国境なき医師団)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?
-
海外派遣にまた参加しようと思ったのは、「いろいろな国を見て、そこの人びとと働きたい」から。前回の援助活動から戻ったのが2012年5月で、今回は4回目の参加でしたが、前もって、今回の派遣までは1年くらい時間を取ろうと考えていました。
- Q派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?
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アルバイトをして、臨床の感覚を忘れないように心がけていました。また、1年という時間を使って、長崎大学にある熱帯医学研究所で3ヵ月間、研修に参加することができました。
- Q過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?
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フアパン県のすべてのスタッフに
3週間かけトレーニングを行った途上国での過去の医療活動の経験はそのまま日々の活動に活かせるものばかりでした。また、それらの経験をもとに、現地スタッフへの日々のトレーニングの中でどう伝えたらわかりやすいかや、どういうことがみんなの仕事をしやすくするか、限られた物資と時間の中で、どう優先順位をつけるかなどに役立ったと思います。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
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母子保健プログラムで
現地病院をサポート(筆者左)母子保健のプログラムです。海外派遣スタッフのチームは助産師とロジスティシャン、プログラム責任者の3人だけという小さなもので、通訳やアシスタントを含めても10人足らずでしたが、そのスタッフ数で4つの地域を受け持っていました。拠点病院での援助のほかに、へき地にある診療所のサポートも行っていました。主な患者さんは妊産婦と子どもたちですが、救急患者さんの搬送や治療の援助も現地スタッフとともに行っていました。
- Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?
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診療所で健診を待つ妊婦さんたち
土日が休みの週5日勤務でした。助産師は24時間オンコールなので緊急コールがあればいつでも働くようになります。前述したとおり、医療チームは診療所やいくつもの病院を掛け持ちしていたので、朝は6時半に出発し、午後3時、4時に戻るような感じでした。休みの日は散歩にでたり、市場に食材を買いに行ったり、現地スタッフたちとカードをしたり、映画鑑賞会などもしました。
- Q現地での住居環境についておしえてください。
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チームで家を一軒借りて住んでいました。一人一部屋。お湯の出るシャワーもありました。
- Q活動中、印象に残っていることを教えてください。
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診療所の訪問活動にあたっては
地方の村々へあいさつに回った。4回目の派遣にして初めてのアジアでしたが、今までのどんな国ともまた違っていて、ラオスの人びとのたどってきた歴史や現在の状況などを、自分が何も知らなかったということに気づかされました。援助をする上でも、その国、人びとを本当の意味で理解することの必要性を感じました。
- Q今後の展望は?
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今後もMSFの活動に関わっていきたいと考えています。それと同時に、この日本でどう、派遣活動と両立する形で自分の居場所を作っていくかが、当面の課題です。
(良いアイデアがあったら、ぜひ教えてください!)
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
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多くの人に、外の国の人たちに出会ってほしいと思います。はっきり言って大変なことも多いけれど、それ以上に世界は興味深いです。
MSF派遣履歴
- 派遣期間:2011年10月~2012年5月
- 派遣国:パキスタン
- プログラム地域:ハングー
- ポジション:助産師
- 派遣期間:2010年11月~2011年6月
- 派遣国:イエメン
- プログラム地域:アムラン
- ポジション:助産師
- 派遣期間:2010年3月~2010年9月
- 派遣国:スーダン
- プログラム地域:アウェイル
- ポジション:助産師