海外派遣スタッフ体験談
エチオピアで現地技師の指導と監督
大波和美
- ポジション
- 臨床検査技師
- 派遣国
- エチオピア
- 活動地域
- ソマリ州ワルデル
- 派遣期間
- 2011年5月~2012年1月

- Qなぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?
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国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊で派遣中に、国境なき医師団(MSF)について知り、興味を持ったことがきっかけで参加しました。
- Q今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?
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病院の検査室で勤務後、青年海外協力隊で3回派遣されました。
特に青年海外協力隊時代に習った「最初は様子見、キーパーソンを見つけること、そしてゆっくり変えていくこと」という鉄則が役に立ちました。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
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エチオピアのソマリ州南部にあるワルデル病院検査室で勤務しました。
要請された内容は、現地の検査技師の技術的な指導(一般検査室、結核検査室)と監督でしたが、実際は現地の検査技師がしょっちゅうどこかに行ってしまったり来なかったりして、患者さんが外で待っている状態が頻繁に発生したので、実際に検査業務も行っていました。
また、技師の気分で検体を検査せずに捨ててしまったり検査せずに結果を記入したりするので、その監督・指導をしました。
- Q週末や休暇はどのように過ごしましたか?
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町に出るときは2人以上が携帯端末を持ち、午後6時までに宿舎に戻ってこなくてはいけませんでした。最初の1ヵ月は毎週末、町に出かけましたが、何も買う物もないし、代わり映えがしないので、その後の休暇は宿舎の中で洗濯をしたり、DVDを見たり、みんなでバレーボールをしたりして過ごしました。
- Q現地での住居環境についておしえてください。
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1人で1部屋に住むことが出来ました。トイレもシャワーもきれいでした。インターネットはなく、MSFmailのみ。電気は自家発電で毎朝7時から夜の10時まで。TVは1台でエチオピア人の派遣スタッフ&外国人スタッフ共用。食事はパスタ、ご飯、トマトソース、ヤギ肉が基本的に毎日。野菜は定期休暇などで首都に行ったときにみんなで手分けして買い物をして活動地に送っていました。
- Q良かったこと・辛かったこと
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チームのみんなが本当にいい人たちで英語のつたない私の話も本当にしっかり聞いてくれるし、助けてくれるし、病院内では一緒に勉強させてもらえました。
一方、現地の検査技師の1人が激情家&宗教家で、すべてのことをイスラムの神が決めたことだからと言って話を聞いてくれないこと。私生活がうまくいかなくなると仕事場で外国人スタッフにかなり激しい口調で毎日責め立てること。それが1ヵ月間続いたときには精神的に参ってしまい、私自身が怒りっぽくなってしまいました。*
- Q派遣期間を終えて帰国後は?
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長崎大学の3ヵ月コースに応募したので、結果を待っています。その後は、またできたらMSFに参加したいです。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
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日本と違ってチーム内で協力して治療したり、方針を決めたりするので、分からないことを聞く勇気が必要だと感じています。後は思いつめないで楽しんでください。