タンザニア:ブルンジからの難民、推計7万8000人に——MSF、緊急援助を継続
2015年07月21日
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毎週2000~3000人が闇にまぎれて

タンザニアとブルンジの国境地帯に広がる森林を、毎週2000~3000人が越えてくる。大半は闇にまぎれ、取るものもとりあえず徒歩で移動してきた。(※)
ニャルグス・キャンプはもともと、コンゴ民主共和国の内戦を逃れてきた難民を最大5万人まで受け入れることを想定して1997年に設置された。現在、コンゴ人難民は6万4000人に達している。そこに、推計7万8000人のブルンジ人難民が合流したのだ。
到着した人びとは集団避難所で過ごしながらテントの支給を待つ。この集団避難所は本来、常設キャンプへの移転を待つ間の1次滞在施設として造られたものだ。カシオップは「幅8m、奥行22mほどのテント1張に200人以上が入居していたという報告もあります」と話す。その場合、1人あたりの専有面積は1㎡にも満たない。
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原文の訂正により、第2パラグラフの見出しおよび第1段落の「1日1000人」を「毎週2000~3000人」に訂正しました。
「新たな滞在場所と基礎的な援助を」
キャンプ内では2015年5月、コレラの流行が確認された。MSFは敷地内にコレラ治療センターを設置。さらに、これまで10万7000人以上にコレラ・ワクチンを接種したほか、キャンプ内5ヵ所で1日に27万リットルの清潔な飲用水を供給している。
MSFはキャンプ内で、タンザニア赤十字社と共同で基礎医療を提供している。また、移動診療を行い、重症者をタンザニア赤十字社が管理するキャンプ内病院に搬送している。症例ではマラリア、下痢、気道感染症が多い。夜間の寒さや砂ぼこりが原因だ。赤十字社の病院内では、MSFが入院栄養治療センター(30床)を運営し、合併症を伴う急性栄養失調の子どもを治療している。
カシオップは「難民となってしまった人びとが、それでも尊厳をもって過ごせるように、新たな滞在場所と基礎的な援助の提供が不可欠です」と訴える。