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エボラウイルス病の死亡リスク半減──予防接種の効果がランセット誌に掲載
2024年02月20日
2024年2月7日に『ランセット感染症』誌に掲載された国境なき医師団(MSF)と他の研究機関による共同研究により、エボラウイルス病(エボラ出血熱)に対するワクチン「rVSVΔG-ZEBOV-GP」接種により、感染抑制と死亡リスクが半分以下に低下することが初めて示された。
研究はコンゴ民主共和国で実施され、2018年から2020年の間にエボラ医療施設に入院した2279人のデータを解析。ワクチン未接種軍は死亡率が56%であったのに対し、ワクチン接種群は死亡率が25%に低下した。死亡率の低下効果はウイルスに暴露した後や症状の発症後であっても認められ、ワクチン接種とエボラ出血熱の治療薬との間に拮抗作用は認められなかった。
この試験は今後エボラ患者における死亡リスク低下の他、エボラ流行時における暴露のリスクが高い人びとへの「リング接種(※)」の有用性を示している。
※エボラへの感染が確認された患者と接触したことのある接触者、さらにその接触者が接触した人、医療従事者など感染の最前線で対応する人員にワクチンを接種する戦略


出典:『ランセット』誌 2017 Feb 4;389(10068):505-518. doi: 10.1016/S0140-6736(16)32621-6. Epub 2016 Dec 23.
詳しい記事はこちら:「エボラウイルス病:予防接種で感染者の死亡率が半減すると判明」
MSFの研究機関「エピセンター」に関してはこちら(英文)