事務局からのお知らせ

「バングラデシュ、コックスバザール地方におけるミャンマー・ラカイン州からの避難民への人道医療援助」に日本政府からの資金拠出を受け入れ

2019年03月01日
MSFの入院病棟で治療を受ける女性 © Dalila Mahdawi/MSF
MSFの入院病棟で治療を受ける女性 © Dalila Mahdawi/MSF
国境なき医師団(MSF)は2月26日、「バングラデシュ、コックスバザール地方におけるミャンマー・ラカイン州からの避難民への人道医療援助」において、日本政府(外務省)より総額446,428米ドル(約5000万円)の拠出を受けることとなり、書簡の交換を実施しました。

MSFはバングラデシュ、コックスバザール県で2009年から、ロヒンギャ難民・避難民、現地の人びとを対象に、基礎医療と救急医療の総合診療のほか入院治療と検査業務を行ってきました。2017年8月以降74万人以上のロヒンギャの人びとがミャンマーから避難し、MSFは医療とともに給排水・衛生活動も大幅に拡充し、MSF日本からも20人以上のスタッフをバングラデシュに派遣しました。2017年8月以降、MSFは100万件以上の外来診療、9万2000件以上の急性下痢症、6500件以上のジフテリア患者への治療提供を実施してきています。日本政府からの拠出金は、クトゥパロン=バルカリキャンプにあるMSFが運営する病院にて、救急診療、外来、入院、産科、新生児及び小児科、感染症、性暴力被害者への治療の提供などに活用されます。この病院は避難民のみならず、地元住民も利用することができます。  

MSFでは、活動の独立性と透明性を保ち、緊急援助をニーズに基づいて独自に決定し、より柔軟に実施するため、活動資金のほとんどを民間からの寄付でまかなっています。2017年には、630万の個人を含む民間からの寄付が全収入の96%を占め、公的機関からの助成金は約2%でした。MSF日本でも、2018年の収入の95%が民間からの寄付で占められています。各国政府を含む公的機関からの資金協力に関して、MSFは明確な方針を定めており、公的資金の受け入れ割合について上限を定めるとともに、各国の人道政策、紛争への介入等に鑑み、受け入れる資金を活動ごとに慎重に検討しています。また、アフガニスタン、イエメン、シリアでの活動およびシリア難民支援などは、完全な中立性、独立性を確保するため、民間からの資金のみで運営しています。日本以外では、現在、カナダ、スイス政府からの資金提供を受け入れています。

【訂正文】
「民間からの寄付が全収入の98%」は「96%」の誤りでした。寄付以外の「その他」を誤って含めていました。「2018年収入の98%以上が民間からの寄付」は「95%」の誤りでした。誤ってMSF韓国からのグラントも寄付に含めていました。(3月11日更新) 

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