海外派遣スタッフ体験談

優秀なスタッフに囲まれ任務を遂行

江藤俊浩

ポジション
ロジスティシャン
派遣国
イエメン
活動地域
ラゼ
派遣期間
2008年3月~2008年7月

QなぜMSFの海外派遣に参加したのですか?

理由は何点かあります。

  • 国際協力や人道支援の活動に興味があったから。
  • 今までの業務経験が生かせると思ったから。
  • 海外の厳しい環境で自分がどれだけ能力を発揮できるか、自分を試してみたかったから。

青年海外協力隊に応募したものの選考を通らなかった時に、友人からMSFを紹介されたのが応募のきっかけです。

Q今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

製油所や化学プラントを建設する仕事をしていました。その中で、海外の建設現場で現地スタッフと一緒に仕事をした経験がとても役に立ちました。また、仕事を通して得た、建設に関する広範囲な技術的な知識が役に立ちました。技術に関する英語の専門用語の知識は、取扱説明書やガイドラインを読むのに役立ちました。医学用語はさっぱりなのですが。

Q今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

イエメン北部のサアダ州にある、ラゼ行政区内の病院を補修・再建し、運営するというプログラムでした。現地の病院は内戦で荒廃していました。

ロジスティシャン・アドミニストレーターの業務は、医療関係の業務以外はすべて、と言って良いと思います。事務所の立ち上げ、病院の補修、スタッフの雇用から業務の教育までは前任者がほぼ済ませてくれていましたので、ロジスティシャンとしての主な仕事はそのフォローアップで、業務の大半はアドミニストレーターとしての仕事でした。会計とお金の管理、月給の計算と支払い、人事ルールを主とチームに問い合わせて現地スタッフに説明、勤務表の作成などです。

ロジスティシャンとしては、倉庫や事務所の資機材の在庫管理、物資や人員の移動の手配、事務所や病院の保全やスタッフの要望に応じてちょっとした改造を行ったりしました。

Q週末や休暇はどのように過ごしましたか?

週末の休みは金曜日の1日のみでしたが、昼前から夕方までの間は安全上の問題から外出できませんでした。このため、宿舎で寝ているか、日本から持ち込んだDVDを見るか、仕事をするなどしていました。たまに現地スタッフの家に遊びに行ったりしました。

3ヵ月たつともらえる1週間の休暇では、エジプトのリゾート地に行ってきました。そこで初めてスキューバダイビングに挑戦しました。とてもすばらしい経験でした。

Q現地での住居環境についておしえてください。

テントに毛の生えた程度の住まいを覚悟していたのですが、想像していたよりはるかに快適な住居でした。宿舎はブロックを積み上げて作られていて、内面は漆喰で仕上げてあります。3階建てで、1階は倉庫、2階は事務所と居室、3階にも居室があり、またキッチンと「マフラージュ」と呼ばれる応接室がありました。屋上にも出られました。バス・トイレは2階と3階にありました。水洗トイレです。

Q良かったこと・辛かったこと

とにかく優秀なスタッフに囲まれていたことが、とてもラッキーでした。フィールドコーディネーターにとても助けられました。おかげさまでとても楽しく業務を遂行することが出来ました。

大変だったのは、前任者はとても忙しかったようで、書類が整理されていなくて引継ぎも不十分だったことです。前任者が帰国するまでの数日間は、夜遅くまで仕事をしていました。何から着手したら良いのかわからず、まずは事務所ならびに書類の整理からスタートしました。

Q派遣期間を終えて帰国後は?

まずは日本食を堪能したいと思います。いずれは再就職する予定なので、その前になるべく早期に再度派遣に参加したいと考えています。

Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

私は英語が堪能というわけではありません。しかし、建設業務を通じて身につけた技術的な知識や業務手順が、活動をする上で補ってくれました。英語に不安がある方は何らかの技術的な強みがあると、業務遂行の手助けになりますし心の支えにもなります。
あと、少しでも料理が出来るとスタッフにありがたられます。

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