結核

基本情報

どんな病気?

結核菌を原因とする感染症。感染者の10%程度が生涯のいずれかの時点で発症する。主に肺に影響を及ぼし、継続的な咳、発熱、体重減少、胸痛、息切れなどが症状として現れる。HIV感染者は発症率が高く、結核が主な死因となっている。

流行地域

世界各地。世界人口の4分の1が感染しており、毎年1000万人が新たに発症し、150万人が亡くなっている(世界保健機関)。また2020年は、患者のうち50万人近くが治療の困難な薬剤耐性結核(DR-TB)を発症している。

感染経路

咳やくしゃみによる結核菌の空気感染。

診断

肺結核では痰(たん)を採取して顕微鏡で検査するが、この方法では半分しか検出されず、子どもやHIV感染者、薬剤耐性結核の感染者からはほぼ検出できない。新しい分子診断法は、薬剤耐性についても調べられる。だが、機器を導入できる条件が整っていなければ実施できない。

治療

通常の結核では、最低でも6カ月の治療を要する。一方、結核治療の第一選択薬であるイソニアジドとリファンピシンのどちらにも耐性を示す「多剤耐性結核(MDR-TB)」の場合、治療に2年以上かかることもある。第一・第二選択薬ともに耐性がある「超薬剤耐性結核(XDR-TB)」では、選択肢がさらに限られる。

3つの新薬が半世紀ぶりに登場し期待がかかるものの、普及は進んでいない。国境なき医師団(MSF)は、これらの新薬も用いたより短期で効果的な治療法を開発するため、2つの臨床試験を主導している。

2021年、MSFは耐性結核患者1840人を含む、1万5400人の結核患者の治療を開始した。

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