エボラ出血熱

基本情報

どんな病気?

ウイルス性の感染症。致死率の高さが特徴で、20%から最高で90%程度に達することもあるため感染地域の住民に恐怖心を与えることがある。ウイルスの型は5種発見されており、種類によって致死率が異なる。エボラの流行は新規感染例が42日間確認されなかった時に収束したと考えられる。

  • 症状開く

    感染の第1期では、高熱、頭痛、筋肉痛、咽喉炎、全身衰弱を引き起こす。第2期では、おう吐、下痢、発疹、多臓器不全がみられる。また、半数以下のケースでは、吐血や血性下痢、皮下出血など体内の複数の場所で大規模な出血が起きる出血症状がみられることもある。ウイルスの潜伏期間は2日〜21日とされる。

  • 流行地域開く

    1976年、ザイール(現・コンゴ民主共和国)のエボラ川流域の村と、スーダン南部(現・南スーダン)のヌビアで同時期に集団感染が確認された。以降、数年ごとに流行を繰り返している。流行地域は、ほぼアフリカ中部に限られているが、2014年2月、西アフリカのギニアで流行が始まり、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアへと拡大した。

  • 感染経路開く

    アフリカでは感染したコウモリ、サルなど野生動物の死体などへの接触よって感染が始まったとされる。ウイルスは感染したヒトや動物の尿、汗、血液、母乳などの体液を通じて感染し、空気感染はしない。発症していない人からは感染しない。

    直接遺体に触れることで死者を弔う葬儀の習慣などが感染拡大の主因になることがある。ウイルスは死の直前に最も感染力が増すとされ、遺体に触れることは感染のリスクを大幅に高めるため、感染制御には葬儀を安全に執り行うことが重要になる。

  • 診断開く

    目の充血や筋肉痛、発熱などの初期症状は他の病気と症状が似ているため診断が難しい。しかしながら初期症状が表れ、感染が疑われる理由がはっきりしている場合は、患者を隔離し、確定診断のために医療機関で数種類の検査をうける必要がある。

  • 治療開く

    有効な治療薬や予防ワクチンはなく、対症療法のみに限られている。下痢で脱水症状を起こしている患者への点滴や、併発感染症を避けるための抗生物質の投与などがあげられる。そのほか、鎮痛剤や栄養治療食、ビタミン剤の投与も有効。対症療法で状態を保つことにより患者自身の免疫システムがウイルスに打ち勝つために必要な時間を稼ぐことができる。患者がエボラを克服し完治した場合は、感染したウイルスの型に免疫を持つことになる。

  • 予防開く

    感染が疑われる人・動物の体液に触れないことや、石けんでこまめに手を洗うことなど、基本的な衛生管理で感染リスクを下げることができる。

  • MSF治療施設での対応開く

    感染者は隔離された状態で防護服を着用したスタッフによって治療を受ける。国境なき医師団(MSF)では治療にあたるスタッフの感染を防ぐため、スタッフへのトレーニングを重点的に行い、厳格な予防ルールを実践している

    MSFの治療施設は最大限安全な作業環境を確保できるよう設計されている。患者同士の間隔を十分に空け、高リスク区画と低リスク区画を明確に隔て、十分な照明、安全な廃棄物処理、病棟の定期的な清掃と除染を徹底している。また高リスク区画に入る職種や人数の制限、および区画内での連続作業時間にも上限を設け、感染リスクを減らしている。

    MSFの外国人スタッフは4〜6週間ごとに交代し、疲労による消耗を避けている。勤務は常に2人1組で行い、事故や過度の疲労がないよう互いを監督している。また注射針による医療事故対策として、注射を伴う治療や血液採取を必要最小限にとどめている。

最新の活動ニュース

一覧を見る