はじめての方へ

国境を越えて、命の危機にある人びとのもとへ。

© MSF

国境なき医師団は、紛争や自然災害、貧困などにより命の危機に瀕する人びとに医療を届ける、民間で非営利の医療・人道援助団体です。

1971年の設立以来、独立・中立・公平な立場で活動し、1999年には、世界中で行ってきた医療援助活動と証言活動の実績が認められ、ノーベル平和賞を受賞しました。

1999年 ノーベル平和賞受賞
スタッフのひとこと

ロゴのモチーフは、走っている人の姿です。
命の危機に直面している人びとのもとに駆け付けるという意味が込められています。

国境なき医師団を知るための5つのキーワード

Keyword 1 Core Principles

どんな特徴があるの?

「独立・中立・公平」が全ての活動の原則です。 この原則は1971年の設立時から変わりません。

© AP Photo

援助を行う決定は、政治的、経済的、宗教的利益とは関係なく、医療ニーズに基づいてのみ判断します。この「独立性」を保つため、活動資金に占める公的資金の割合を抑え、9割以上を民間からの寄付によってまかなっています。

また、すべての当事者に国境なき医師団の活動を受け入れてもらうため、どの陣営の側にもつかず、「中立」な立場を貫きます。さらに、人種や政治、宗教にかかわらず、医療を必要とする人びとに「公平」に援助を提供します。

Keyword 2 Emergency Response

どんな強みがあるの?

高い「機動力」で一刻も早く援助を始めます。 緊急事態から48時間以内に現場へ駆け付けます。

紛争や自然災害、感染症の流行など、緊急事態はいつ発生するか分かりません。
国境なき医師団は、緊急事態が発生してから 48 時間以内に人材と物資を現地へ届け、
調査や援助活動を開始します。

01 緊急事態に備える
たくさんの方の寄付で、さまざまな援助物資を準備

皆さまから寄せられた寄付は、援助プログラムを運営するオペレーション組織に送金され、医薬品や援助物資の購入などに充てられます。

世界5カ所の物流センターで保管

医薬品や外科キット、テント式病院、毛布などの物資を保管する独自の物流拠点を運営。チャーター機も使い、援助が必要な場所へ届けます。

02 現場へ駆けつける
48時間以内に危機の現場へ

緊急事態が発生すると、直ちにチームを現場へ派遣。自分たちの目でニーズを調査し、活動を開始します。

支援を求める人びとがいる限り

国境なき医師団は、アクセスが困難な地域にも、水・陸・空を問わずあらゆる移動手段を駆使して医療を届けます。

03 医療を届ける
紛争地で

空爆などによる負傷者や、病院が破壊され医療を受けられない人たち、難民キャンプで暮らす人たちなどに、外科治療から心のケアまで援助を届けます。

感染症の流行地で

新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対し、70以上の国と地域で活動。エボラ出血熱やマラリア、結核などの感染症にも、予防と治療を提供しています。

自然災害の被災地で

地震や洪水、ハリケーンなど、大規模な自然災害の被災地でいち早く緊急援助を始めます。飲料水の提供やトイレの建設など、水と衛生に関する援助も。

栄養失調が深刻な地で

命を脅かす栄養失調に陥っている子どもたちに、必要な栄養素がつまった栄養治療食を提供。より深刻なケースでは集中治療を行います。

スタッフのひとこと

山岳地帯やジャングルの奥地など、車でもバイクでも行けない場所へ、ロバや馬を使って行くことも!

© Matthias Steinbach

Keyword 3 Bearing Witness

医療以外の活動もしている?

「証言活動」で人道危機を訴えます。 危機にさらされた人びとの声を伝えることも活動の柱です。

© MSF

国境なき医師団を設立したのは、医師とジャーナリスト。緊急医療援助と同時に、現地で目の当たりにした人道危機の現実を社会に伝える「証言活動」も、国境なき医師団の使命です。

国境なき医師団の活動原則の一つである「中立」を維持することは、沈黙することではありません。人びとが受けている人権侵害や暴力行為を国際社会に訴え、医療だけでは変えられない問題の解決につなげます。

動画で知る、人道危機と国境なき医師団
スタッフのひとこと

写真や映像の撮影は、患者さんのプライバシーを第一優先に。本人や保護者の許可を得てから撮影しています。

©Yann Libessart/MSF

Keyword 4 Financial Independence

資金はどこから来ているの?

資金の9割以上が「民間からの寄付」です。 日本で43万人の方々が活動を支えてくださっています。

国境なき医師団の活動資金は、その9割以上が個人をはじめとする民間の皆さまからの寄付に支えられています。
資金の独立性を保つことで、独立・中立・公平な活動が可能になります。いかなる権力からの影響も受けず、医療を必要とする場所へ援助を届けることができます。

9割以上が民間の寄付で支えられ、いかなる権力の影響を受けず、独立・中立・公平な活動を実現。

国境なき医師団全体の収入 19.02億ユーロ(約2318億円) 2020年実績 民間からの寄付収入:97.2% 公的期間からの収入 1.4% その他の収入 1.4%

病気の父を懸命に支えてくれた医療現場で働く人たちのために──寄付は医療現場で頑張るスタッフへの応援の気持ちです。

D・Dさま

半年間、つらい闘病生活を送った父の最期を看取ることができたのは、父や私を支えてくれた病院スタッフのおかげでした。主治医や病院スタッフへの感謝とともに、医療現場で働く人たちのために何かできないか──そんな思いがだんだん大きくなってきたある日、国境なき医師団の活動を知り、世界中で医療活動をしている国境なき医師団に寄付をすれば、医療への意義ある支援になる、と寄付を始めました。

あなたの寄付でできること

  • 3,000円で 栄養治療食× 84食分

    栄養失調の子どもたちに、栄養治療食(RUTF)を提供できます。

    © MSF/Laurence Hoenig
  • 5,000円で 1週間分の水× 610人分

    避難民キャンプなどで、適切な殺菌消毒を施した清潔な水を提供できます。

    © Ton Koene
  • 10,000円で 3カ月間の医療× 110人分

    難民・避難民に医療を届けることができます。

    © Abd Almajed Alkarh

※実際の価格は外国為替によって変動します。

さまざまな寄付の方法があります。ぜひご支援・ご協力をお願いします。

スタッフのひとこと

街角で出会うかも?街頭や商業施設などで、活動を紹介し、寄付への参加を呼び掛けるキャンペーンを行っています。

© MSF

Keyword 5 Diverse Human Resources

スタッフは皆、お医者さん?

約半数は「非医療スタッフ」です。 医師だけでない多様なスタッフが、世界と日本で活動しています。

医療援助活動は、医師だけではできません。物資の調達や病院の建設、資金・人材の管理など、さまざまな分野のプロフェッショナルがチームで活動しています。

最前線で命を守る医療スタッフ
医師
外科医、小児科医、麻酔科医など各分野から
© Malak Shaher/MSF
看護師など
薬剤師、助産師、臨床心理士など各分野から
© MSF
さまざまな専門家
疫学専門家、ヘルスプロモーターなど各分野から
© MSF
医療の現場を支えるスペシャリスト非医療スタッフ
ロジスティシャン
調達から設備管理まで担う「縁の下の力持ち」
© MSF/Majd Aljunaid
アドミニストレーター
資金と人材を司る、財務・人事のエキスパート
© MSF
プロジェクト・コーディネーター
チームマネジメントや安全管理を担うリーダー職
© Larry Gumahad/MSF