特集

スーダン:戦闘下の人びとの命を守る

2023.12.18

スーダンで、スーダン軍(SAF)と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間で4月15日に紛争が始まって半年。避難を強いられた人は500万人にのぼり、今も人びとの命は危険にさらされている。
 
国境なき医師団(MSF)はスーダン国内で医療援助を継続するとともに、近隣国でも緊急対応に当たり、危機の中を生きる人びとの命を支えている。

スーダンで現地活動責任者を務めた落合厚彦が動画で語る(1分25秒)

インタビュー記事「戦闘の続くスーダン:いまこそ人道援助が必要──日本社会は関心を持ち続けて」

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スーダンの人びとが置かれた状況とは?

必要な医療を受けられない

北ダルフール、エル・ファシール南病院=4月19日 Ⓒ MSF/Ali Shukur
北ダルフール、エル・ファシール南病院=4月19日 Ⓒ MSF/Ali Shukur
スーダン全土で多くの病院が閉鎖し、稼働している病院に大勢の負傷者が運ばれている。直接的な暴力だけでなく、間接的な被害も深刻だ。医薬品の在庫不足や値上げのため、慢性疾患の患者が必要な医薬品を得られず、合併症や死に至ることも少なくない。
 
キャンプで避難生活を送る人びとの中には、マラリアやはしかといった予防可能な病気で命を落とす人も多い。また、清潔な水の不足から、コレラのリスクが高まっている。

スーダンの医療体制は数十年前から崩壊寸前だった。特に、女性と子どもを対象とした公共医療の普及率は、東アフリカで最も低いレベルであり、今回の紛争によって人びとはさらに厳しい状況に追い込まれた。 

戦闘を逃れて500万人以上が避難

エチオピアの戦闘からスーダンに避難していた一家 © MSF
エチオピアの戦闘からスーダンに避難していた一家 © MSF
4月の戦闘開始から9月半ばまでに、410万人がスーダン国内で避難民となり、100万人以上が国境を越えて難民や帰還民として近隣諸国に避難している(国連人道問題調整事務所 9月14日)。
 
エジプトのほか、自国も人道危機に直面しているチャドやエチオピア、南スーダンが避難先となっている。
 
スーダンは今回の紛争以前から多くの難民を受け入れており、以前から厳しい状況だった彼らの生活環境はさらに悪化している。キャンプは過密状態となり、必要な医療、清潔な水や食料も足りていない。この過密状態が疾病のリスクを高めている。

スーダンで国境なき医師団が行っていることとは?

国内と近隣国で医療を提供

MSFはスーダンで、緊急の治療や手術、避難民のための移動診療、感染症や慢性疾患の治療、安全な分娩を含む妊産婦ケア、小児医療、水と衛生に関する支援、医療施設への医薬品・医療物資の提供などを行っている。

現在、スーダン国内の10の州で活動している。(ハルツーム州、ジャジーラ州、白ナイル州、青ナイル州、リバーナイル州、ゲダレフ州、西ダルフール州、北ダルフール州、中央ダルフール州、南ダルフール州)
 
また、南スーダン、中央アフリカ共和国、チャドでも、スーダンからの難民や帰還民への支援を行っている。
ハルツームの病院で手術の準備を進める医師 © MSF/Ala Kheir
ハルツームの病院で手術の準備を進める医師 © MSF/Ala Kheir

主な活動

バシャール大学病院=2023年9月10日 © MSF
バシャール大学病院=2023年9月10日 © MSF
2023年10月現在、スーダン人スタッフ1145人と海外派遣スタッフ57人がスーダンで活動している。

■バシャール病院(ハルツーム):戦闘開始以来1500件以上の外科手術を行い、その93%が暴力に関連した負傷者だった。また、300件以上の産科診療も行った。

■トルコ病院(ハルツーム):6月に活動を開始して以来8600人以上の救急患者を受け入れた(内、子どもがおよそ1500人)。

■オムドゥルマン(ハルツーム州):保健省を支援し、同省は半年で1万人以上の緊急入院患者に対応した。

■ダルフールでは8500件以上の緊急入院を受け入れた。北ダルフール州のザムザム・キャンプで1万6000件以上、白ナイル州では5万件以上、アルジャジーラ州では2万5000件以上の診療を行った。

■スーダン全土で、過去6カ月間で1万件以上の心のケアを行った。

さらなる悲劇を防ぐため、MSFは以下を求めている。

  • 人道支援活動の大幅な拡大
  • 医療スタッフ・援助活動従事者・民間人の安全確保
  • 医療・人道援助スタッフおよび物資を自由に移動できるようにすること
  • 人びとの人道援助へのアクセスが妨げられないようにすること

最新活動ニュース

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トップ写真:チャド・アドレのMSF栄養治療センターで診療を待つ患者=2023年8月2日  © MSF

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