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国境なき医師団 BASE TALK — 私が国境を越える理由
2025.02.10

国境なき医師団には様々な人びとが海外派遣スタッフとして参加しています。どんな人が、どんな思いで仲間に加わっているのでしょうか?
幼少期からの夢、キャリアの構築、プロとしての転身。
語学力やスキルの不安、家族や職場の理解をどう得たらよいのか。
採用までの課題をどう乗り越えたのか。
そしていざ現場へ。
活動地で直面した困難や苦悩、喜びや達成感、仲間たちとの出会い。
世界中で医療・人道援助活動を行っている私たち「国境なき医師団」の活動地には、それぞれ「ベース」とよばれる拠点があります。
一日の仕事を終え、ベースに戻ってきたメンバーたちは、どんな話を繰り広げているのでしょうか?
このポッドキャストでは、メンバーの素顔が垣間見える、本音のトークをお届けします。
国境なき医師団(MSF)は、海外で活動するスタッフを通年募集しています。
医師をはじめとする医療スタッフのほか、プロジェクトを運営する人事・財務、調達担当者など、非医療スタッフも多く活動しています。経験や技術を生かして、国際援助の現場で働きませんか。
【予告編】 福島正樹(ポッドキャスト ホスト・心理士):国境なき医師団って、どんな人たち?
このポッドキャストのホストを務める国境なき医師団の心理士、福島正樹。
彼はなぜ国境なき医師団に参加したのか?
そもそもなぜ彼は心理士を志すようになったのか?
そして国境なき医師団に採用されるまでの道のりは?
このエピソードではこのポッドキャストの趣旨や目的、そして福島自身のキャリアについて語ります。

国境なき医師団(MSF) 心理士 福島正樹(ふくしま まさき)
公認心理師・臨床心理士。2009年にサンフランシスコ州立大学心理学科を卒業後、一般企業に就職。心理士となる夢を追い、大学院を経て心理資格を取得。クリニック等での勤務のほか、東日本大震災では被災者への心理支援に携わった。2021年からMSFに参加し、パレスチナ、スーダン、シエラレオネで、紛争などの影響を受けた人びとへ心のケアを提供。2024年には能登半島地震の被災地で心のケアの活動を行った。現在はMSF日本事務局で、海外派遣スタッフの心理的社会サポート業務に従事。

【エピソード1】 佐藤太一郎(ER・集中治療室看護師):英語がわからなくて、耳鳴りが…

野球青年だった佐藤が看護師を志したきっかけは、仲間のけがの治療に貢献したいという思いだった。やがて救命救急の看護師となり病院に勤めるかたわら、東日本大震災の現場に参加。次は海外での援助活動に挑戦したいという気持ちから一念発起。海外でのワーキングホリデーを通じて英語力を磨いたものの、帰国後に参加した国際船の現場で立ちはだかった言語の壁は高かった。そこから、佐藤はどうやって国境なき医師団の現場で通用する語学力を身に着けたのか?
このエピソードでは、スキルアップを含め、国境なき医師団でキャリアをデザインするとはどういう事なのかについて佐藤が語ります。
国境なき医師団(MSF) ER・集中治療室看護師 佐藤太一郎(さとう たいちろう)
2009年に東海大学医学部看護学科卒業後、東海大学医学部付属病院の高度救命救急センターで勤務。その後、海外留学や途上国での医療ボランティアを経験。2019年よりアメリカの船会社で国際船看護師として活動。2020年2月、横浜港でのダイアモンドプリンセス号の新型コロナウイルス感染症アウトブレイクで、船内看護師として対応にあたった。2020年にMSFに登録。同年7月から初めて派遣されたイラクで新型コロナウイルス感染症の緊急支援に参加。2022年9月の4回目の派遣では、入団後に習得したフランス語を活かしてハイチの派遣活動に参加。現在までに7回の派遣を経験している。現在はアラビア語も勉強中。
2009年に東海大学医学部看護学科卒業後、東海大学医学部付属病院の高度救命救急センターで勤務。その後、海外留学や途上国での医療ボランティアを経験。2019年よりアメリカの船会社で国際船看護師として活動。2020年2月、横浜港でのダイアモンドプリンセス号の新型コロナウイルス感染症アウトブレイクで、船内看護師として対応にあたった。2020年にMSFに登録。同年7月から初めて派遣されたイラクで新型コロナウイルス感染症の緊急支援に参加。2022年9月の4回目の派遣では、入団後に習得したフランス語を活かしてハイチの派遣活動に参加。現在までに7回の派遣を経験している。現在はアラビア語も勉強中。

【エピソード2】 佐藤太一郎(ER・集中治療室看護師):初回派遣地のイラクで彼を待ち受けていたのは…

国際クルーズ船でのコロナ対応を経験し、自信をつけた佐藤。その経験を買われ、いざ初回派遣地のイラクへ。彼を待ち受けていたのは患者の治療だけではなかった。コロナ対策のための現地スタッフの採用活動からマネジメントまで、多岐にわたる業務があった。休む時間も無く突っ走った佐藤が、エネルギーを持続させた秘訣とは?
その後、スーダン内戦下の難民キャンプで集中治療室のプロジェクトに派遣された佐藤。苦しい決断を強いられるトリアージの現場。痛みに苦しむ一人の少年との出会い。なぜ彼はこんな目に合わなくてはならないのか?
このエピソードでは人々の苦しみに向き合いながらも見出した「やりがい」とは何かについて、心理士の福島と語り合います。
【エピソード3】 大田倫美(小児科医):夢を叶えるため、会社員から医師への転身を決意

幼稚園児の頃、サンタクロースに託した一通の手紙。「自分はプレゼントはいらない、その替わりに…」
世界に対する関心を持ちつつも、理系が苦手な大田が選んだ就職先は、開発コンサルタント会社だった。やがてフィールドに出て、より直接「人間」に寄り添った仕事につきたいという気持ちが芽生え、医師への転身を決意。国際医療援助の現場で働く夢を諦めず、小児科医を目指す中で参加したMSFの説明会。同じ志を持った仲間たちとの出会い。
国境なき医師団の現場で必要なスキルと経験値を身に着けるために、大田はどのような計画を立て、それを実行したのか?
このエピソードでは「夢を叶えるために必要な力」とは何かについて、大田が語ります。

国境なき医師団(MSF) 小児科医 大田倫美(おおた ともみ)
大学卒業後、開発コンサルタント会社に就職。その後、一念発起して医学部進学を志し、新潟大学に入学。2012年に同大学医学部医学科を卒業、その後約10年間、国内の総合病院や小児病院で臨床経験を積む。その間、途上国での医療事情について学ぶ機会やフィールドでのボランティア活動を通して、長年の夢であった「途上国での医療貢献」に対して、本格的に意識するようになり、徐々にその意志を固めていく。2023年MSFに応募、2024年に初回派遣先のイエメンにて、小児科医として約6か月間現地の病院で活動。
大学卒業後、開発コンサルタント会社に就職。その後、一念発起して医学部進学を志し、新潟大学に入学。2012年に同大学医学部医学科を卒業、その後約10年間、国内の総合病院や小児病院で臨床経験を積む。その間、途上国での医療事情について学ぶ機会やフィールドでのボランティア活動を通して、長年の夢であった「途上国での医療貢献」に対して、本格的に意識するようになり、徐々にその意志を固めていく。2023年MSFに応募、2024年に初回派遣先のイエメンにて、小児科医として約6か月間現地の病院で活動。
【エピソード4】 大田倫美(小児科医):初回派遣の現場で感じた日本とのギャップ

派遣地の中東イエメンに降り立った大田。MSFへの参加という夢をかなえた彼女は、高揚感に包まれていた。現地の医療へ貢献する意気込みで臨んだ活動。だがそこには日本では見た事もない深刻な栄養状態の子どもがいたり、慣れ親しんだ機材や医薬品が不足していたりという現実が待っていた。自分のスキルや知識が足りないという焦りと無力感にさいなまれる大田。
やがて彼女は仲間から「分からないことは現地スタッフに聞くと良い」と助言を受け、学びの姿勢に気持ちを切り替える。そして原点に立ち返り、実践していたとある心がけが、いつのまにか現地の医師の手本となっていたことを知る。
このエピソードでは、日本と派遣地のギャップをどう乗り越えたのかについて大田が語ります。
【エピソード5】 松本卓朗(ロジスティシャン):ライフステージに合わせた働きかたとは?
松本は2010年から、11回の海外派遣と東京での国境なき医師団事務局勤務を重ねてきた。
しかし若い頃、自分が海外で働くことになるなど、夢にも思っていなかった。それも医療・人道援助活動の現場での縁の下の力持ち、ロジスティシャンとして働くことなど。
高専を卒業し、やがてエンジニアとして国内の医療機器メーカーで働くさなか、カナダに住む姉を訪ねた。そこで松本は気づく。
高専を卒業し、やがてエンジニアとして国内の医療機器メーカーで働くさなか、カナダに住む姉を訪ねた。そこで松本は気づく。
「世界は広い。自由に生きてもいいんだ」
その後、父の薦めもあり国境なき医師団に応募し、採用された。アフリカ諸国や中東諸国などいくつも海外での活動に参加した。
次の転機は、結婚と、子どもの誕生だ。
これをきっかけに、松本は日本国内での仕事にシフトすべく、東京の国境なき医師団事務局で人事スタッフとしての勤務を始めた。
やがて、子どもの成長とともに東京を離れて家族で長野に移住。現在は大工として生計を立てている。
やがて、子どもの成長とともに東京を離れて家族で長野に移住。現在は大工として生計を立てている。
どこにいようと、どんな仕事をしていようと、世界で起きていることに常に注意を払うことが大切だ、と松本は訴える。
国境なき医師団では、ライフステージに合わせて働き方を変えていくことも可能です。
このエピソードでは、それを自ら実践してきた松本が語ります。

国境なき医師団(MSF) ロジスティシャン 松本卓朗(まつもと たくろう)
2003年国立米子高専卒業後、医療機器メーカーにエンジニアとして勤務。2009年よりMSFに参加し、アフリカのマラウイに派遣。その後イエメン、東日本大震災、南スーダン、イラク等これまで9ヵ国でロジスティシャンとして活動。その間、豊橋技術科学大学へ編入し2016年に環境生命工学部卒業。2019年からはMSF日本事務局の人事部でリクルートメントオフィサーとして採用を担当。鳥取県出身。2児の父。
2003年国立米子高専卒業後、医療機器メーカーにエンジニアとして勤務。2009年よりMSFに参加し、アフリカのマラウイに派遣。その後イエメン、東日本大震災、南スーダン、イラク等これまで9ヵ国でロジスティシャンとして活動。その間、豊橋技術科学大学へ編入し2016年に環境生命工学部卒業。2019年からはMSF日本事務局の人事部でリクルートメントオフィサーとして採用を担当。鳥取県出身。2児の父。

【エピソード6】 松本卓朗(ロジスティシャン):初回派遣で直面したピンチ「町からガソリンが消える!?」
初回派遣のマラウイ共和国に到着早々、ワクチン接種のチームに組み込まれた松本。各地に設置された接種会場に、一斉に大量のワクチンを届けるためには段取りが全てだ。40~50台の輸送車両の指揮という大役を任された松本は、準備に余念がなかった。村人たちにも既に周知徹底されている。だが接種日の数日前、町全体からガソリンがなくなる事態に。
このピンチを松本はどう切り抜けたのか?
チーム一丸となって困難を乗り越えた時の達成感は代えがたいものがある、と語る松本。しかしそのためには、現地スタッフたちとの信頼関係を築くことが不可欠だ。外国からやってきた20代の若いマネージャーとして、いかにしてチームを束ねる事ができたのか。
あれから約15年—。
家族と時間を過ごすため現場を離れた松本だが、今、父として子どもたちに伝えたい事とは…。

国境なき医師団では、海外で活動するスタッフを通年募集しています。
募集職種
医師をはじめとした医療スタッフのほか、プロジェクトを運営する人事・財務、調達担当者など、非医療スタッフも多く活動しています。経験や技術を生かして、援助の現場で働きませんか。
求める人物像
制約の多い環境において活動や生活するにあたり、海外派遣スタッフとして求められる能力などをお伝えします。
応募から派遣までの流れ
MSF日本事務局による書類選考と面接を経て、海外派遣スタッフとして登録され、その後活動地へ派遣されます。こちらより、応募から派遣の流れの詳細をご確認ください。
待遇と諸制度・キャリア形成
MSFでは、現地での活動をより効果的なものにするため、さまざまな側面からサポートを提供しています。待遇・諸制度やキャリア形成などの詳細はこちらをご覧ください。
国境なき医師団とは
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、紛争や自然災害、貧困などにより命の危機に瀕する人びとに医療を届ける、民間で非営利の医療・人道援助団体です。
1971年の設立以来、独立・中立・公平な立場で活動し、1999年には、世界中で行ってきた医療援助活動と証言活動の実績が認められ、ノーベル平和賞を受賞しました。
国境なき医師団の活動資金は、その9割以上が個人をはじめとする民間からの寄付に支えられています。これにより、資金の独立性を保ち、いかなる権力からの影響も受けず、自らの決定で必要な場所へ援助を届けることが可能になります。
2023年には、 74の国と地域で、約5万2000人のスタッフが活動しました。
日本事務局は1992年に発足。2023年には国境なき医師団日本から、35の国・地域へ103人(のべ132回)の派遣が決まりました。
1971年の設立以来、独立・中立・公平な立場で活動し、1999年には、世界中で行ってきた医療援助活動と証言活動の実績が認められ、ノーベル平和賞を受賞しました。
国境なき医師団の活動資金は、その9割以上が個人をはじめとする民間からの寄付に支えられています。これにより、資金の独立性を保ち、いかなる権力からの影響も受けず、自らの決定で必要な場所へ援助を届けることが可能になります。
2023年には、 74の国と地域で、約5万2000人のスタッフが活動しました。
日本事務局は1992年に発足。2023年には国境なき医師団日本から、35の国・地域へ103人(のべ132回)の派遣が決まりました。

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