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BASE TALK — 白川優子 (手術室看護師)
2025.05.19

【エピソード15】紛争地の看護師として活動するまでの長い道のり
白川がMSFの存在を知ったのは7歳の時だった。世界情勢を報じるテレビで「国境なき医師団」の文字を見た時に受けた衝撃は、今でも忘れていない。
看護師になってから数年後、MSFがノーベル平和賞を受賞したニュースを聞き、すぐに派遣希望者向けの説明会に参加した。英語力に自信がなかった白川は、一念発起してオーストラリアに留学して看護資格を取得し、経験を積む。努力の末、7年後にMSFに応募し採用された白川は、すぐに紛争地の看護師としての道を歩み始める。
病院が空爆の危険にさらされる中、血だらけの患者が次々と運び込まれてくる手術室。時として危険が迫り退避という判断を迫られる厳しい現場で、白川は何を感じてきたのか。
(特別ゲスト:MSF活動責任者・落合厚彦)

国境なき医師団(MSF) 手術室看護師 白川優子(しらかわ ゆうこ)
7歳の時にテレビで観たMSFに感銘を受ける。高校卒業後、4年制(当時)の坂戸鶴ヶ島医師会立看護専門学校に入学。卒業後は埼玉県内の病院で外科、手術室、産婦人科を中心に約7年間看護師として勤務。2003年にオーストラリアに渡り、2006年にオーストラリアン・カソリック大学看護学部を卒業。その後約4年間、メルボルンの医療機関で外科や手術室を中心に看護師として勤務。2010年、MSFに参加。これまでスリランカ、パキスタン、イエメン、シリア、南スーダン、フィリピン、ネパール、パレスチナ、イラク、アフガニスタン、レバノンの各地のべ19回の派遣を経験。海外での活動のかたわら、MSF日本事務局で海外派遣スタッフ採用担当として勤務し、数多くの新規メンバーをリクルート。
2018年7月、著書『紛争地の看護師』(小学館刊)、2022年4月に『紛争地のポートレート』(集英社刊)を上梓。現在、毎日小学生新聞や看護師向けのサイトなど複数の媒体で連載中。

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国境なき医師団とは
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、紛争や自然災害、貧困などにより命の危機に瀕する人びとに医療を届ける、民間で非営利の医療・人道援助団体です。
1971年の設立以来、独立・中立・公平な立場で活動し、1999年には、世界中で行ってきた医療援助活動と証言活動の実績が認められ、ノーベル平和賞を受賞しました。
国境なき医師団の活動資金は、その9割以上が個人をはじめとする民間からの寄付に支えられています。これにより、資金の独立性を保ち、いかなる権力からの影響も受けず、自らの決定で必要な場所へ援助を届けることが可能になります。
2023年には、 74の国と地域で、約5万2000人のスタッフが活動しました。
日本事務局は1992年に発足。2023年には国境なき医師団日本から、35の国・地域へ103人(のべ132回)の派遣が決まりました。

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