海外派遣スタッフ体験談
現地の息吹を肌で感じた援助活動:的場 紅実
2018年02月23日的場 紅実
- 職種
- 薬剤師
- 活動地
- イラク
- 活動期間
- 2017年10月~12月

- Q国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?
MSFでの仕事は毎回面白いです。前回の南スーダンの派遣後、休憩期間をとって次の仕事を探していただきました。
- Q派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?
前回派遣後に、MSFアメリカが主催する、難民をテーマにした展示イベントへ参加する予定だったのですが、ビザ取得に時間を要し結局参加を辞退しました。渡米を諦めてすぐに今回の派遣が決まりました。 今回の派遣地イラクのクルド自治区は、2017年9月25日に実施した国民投票でイラクからの独立の意思を採択しました。この結果を受け、イラク政府は制裁の一環としてクルド自治区にある国際空港の国際便の発着を停止しました。
そのため、イラク北部へ渡航予定だった私たちは、試行錯誤の末トルコを経由してイラク北部へ渡航することになり、実際に任地へ着くまでにも時間を要しました。
自宅での準備としては、遅々として進歩のない…フランス語の勉強や麻酔薬、手術用具の情報などの知識を深めました。
- Q過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか?どのような経験が役に立ちましたか?
毎回ながら、すべての経験が役に立ちます。今回、イラク派遣は2度目でしたので、冬の厳しさへも心構えができていました(笑)。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?


- Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?
毎朝6時55分にスタッフ全員でのミーティングがあり、7時15分には2つのチームが4台の車に分かれて病院へ出発します。東モスルにある病院へ到着するまでには、武装した兵士が待機する無数のチェックポイントがあり、足止めされることもありました。
私たち外国人派遣スタッフは、午後4時には病院を発ち、また1時間ほどかけて住居のある地区へ戻ります。オフィスへ戻ってからは、各自、自分の事務仕事をしたり、身体を休めたりしました。
休みは金曜日のみで、その日は午前中遅くに起きだして、なんとなくみんなでブランチを作ります。ケーキを焼いたり、クレープを作ったり、サルサがあったりします。午後は部屋の壁に映画を映して見たり、カードゲームをしたりしてのんびり過ごします。寒くないうちは、屋上にマットを敷いて本を読んだりしました。
歩くことが許されているのは、家とオフィスの間のみで、車で行くことができるのも地元のマーケットのみでした。私は朝30分ほど早く起きて、簡単なヨガをしていました。夜明け前です。
- Q現地での住居環境について教えてください。

私はメキシコ人の医師と部屋をシェアしていました。暖房があり、温かいシャワーも出るし、食事も美味しかったです。
- Q活動中、印象に残っていることを教えてください。

- Q今後の展望は?
先のことはわかりませんが家族が元気なうちは、海外で人道援助の仕事をしたいと改めて思いました。派遣活動では、毎回フツフツと思うところがあり、人としても薬剤師としても課題がたくさん見えてきます。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
料理や音楽やスポーツなど、言語以外の創造する力は世界に通じます。人間として大切なこと、人道援助に従事するものとして大事なことも、世界共通です。言語は仕事をする上で必須です。
MSF派遣履歴
- 派遣期間:2017年1月~8月
- 派遣国:南スーダン
- プログラム地域:ジュバ
- ポジション:薬剤師
- 派遣期間:2016年11月~2016年12月
- 派遣国:イラク
- プログラム地域:エルビル
- ポジション:薬剤師
- 派遣期間:2016年4月~2016年9月
- 派遣国:フィリピン
- プログラム地域:マニラ
- ポジション:薬剤師
- 派遣期間:2014年9月~2015年3月
- 派遣国:ウガンダ
- プログラム地域:アジュマニ
- ポジション:薬剤師
- 派遣期間:2014年1月~2014年8月
- 派遣国:マラウイ
- プログラム地域:チラズル
- ポジション:薬剤師