海外派遣スタッフ体験談
多様な言語や人種が入り混じる環境で調達システムを構築:堀 正貴
2018年12月25日堀 正貴
- 職種
- ロジスティシャン
- 活動地
- コンゴ民主共和国
- 活動期間
- 2018年5~8月

- Q国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?
昨年末の活動地バグダッドでは、安全上の事情で移動制限(1週間事務所、宿舎以外は外出禁止)があり、思うように業務スケジュールを消化しきれなかったり、現地業者とのコミュニケーションがアラビア語中心のため思うように仕事が進まなかったりしたこともあり、仕事の結果に満足できませんでした。もう一度挑戦したいと考え、4月に応募しました。(まあ日本と同じような条件で仕事できる現場はほとんどないのですが……。)
- Q派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?
英語とフランス語は毎日少しでも発音するように心がけました。データの集計と統計が多いのでExcelの守備範囲を広げられるよう練習していました。
- Q過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか?どのような経験が役に立ちましたか?

前回、南キブ州でMSFの調達経理ソフト(UNIFIELD)の研修を受け実践していたため、調達システム構築の骨組みが頭にあり、今回は進捗だけに集中できました。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?
首都キンシャサから2000km以上東にある北キブ州ゴマという町で活動していました。隣国ルワンダの首都キガリから車で3~4時間かけて行くのが一般的です。MSFは、ゴマの北100㎞ほどにあるムウェソと北西のワリカレという町の病院を支援しており、ゴマを拠点に現地調達や欧州からの物資寄贈を行っていました。海外派遣スタッフは7~8人で、主に非医療関係でした。
- Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

今回の活動では業務が「システム構築」と明記され、3ヵ月で仕上げなければなりませんでした。そのため、日常業務でロジスティックチームの仕事量がオーバーフローしていても、自分の仕事に集中しました。土曜日は半日ほどデータ関係を集中する時間にあてていました。事務所との往復は、ジョギングも兼ね、途中で無線と携帯で連絡しながら走りました。日曜日は、近くのホテルで同僚や他のNGOスタッフとテニスをするなどして過ごしました。
- Q現地での住居環境について教えてください。

- Q活動中、印象に残っていることを教えてください。
現地業者との契約ひとつとっても、業者登録がない、事務所(住所)がない、契約書を作るにも字の読み書きができない、3社比較で選定したくても1業者しかいないなど、アプローチを変えなければならない現実がありました。一方、支払いはすべて携帯で、キャッシュレスで送金トレースは出来たのは驚きでした。
- Q今後の展望は?
調達経理ソフトUNIFIELDを昨年現場で導入・実践し、弱点のフィードバックを簡単にアーカイブできるようIT技術者に改善してもらっているので、結果をもう一度現場で試してみたいです。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
「人間はなぜ戦争をするのか?」MSFに参加して、さまざまな宗教について、自分がいかに無知だったかを知りました。良し悪しは別として、違う視点から物事を見られるようになりました。現地に行ってみると、自分の中の何かが変わります!
MSF派遣履歴
- 派遣期間:2017年10~12月
- 派遣国:イラク
- プログラム地域:バグダッド
- ポジション:サプライチェーン・マネジャー
- 派遣期間:2017年4~7月
- 派遣国:コンゴ民主共和国
- プログラム地域:南キブ州
- ポジション:サプライチェーン・マネジャー
- 派遣期間:2016年10~12月
- 派遣国:中央アフリカ共和国
- プログラム地域:バンギ
- ポジション:ロジスティシャン
- 派遣期間:2016年8~9月
- 派遣国:中央アフリカ共和国
- プログラム地域:バンギ
- ポジション:ロジスティシャン
- 派遣期間:2015年10月~2016年2月
- 派遣国:コンゴ民主共和国
- プログラム地域:キンサシャ
- ポジション:副サプライコーディネーター
- 派遣期間:2015年4月~2015年8月
- 派遣国:シエラレオネ
- プログラム地域:フリータウン
- ポジション:ロジスティシャン
- 派遣期間:2014年5月~2014年8月
- 派遣国:エチオピア
- プログラム地域:アロレッサ
- ポジション:ロジスティシャン