海外派遣スタッフ体験談

経験豊富なスタッフにも支えられ貴重な経験ができた

2019年05月28日

米澤 出

職種
産婦人科医
活動地
ナイジェリア
活動期間
2019年1月~2月

高校時代からMSFを知っていて、医師を志していつか参加したいと思っていました。産婦人科医であった伯父や、初期研修先のとても魅力的な産婦人科の先生方、そして科としての学問的な面白さに惹かれて産婦人科医になりました。勤務していた病院を退職して、2018年からMSFに参加し、今回は2回目のミッションです。

多種多様な重症の患者さんに対応

手術に臨む米澤医師 © MSF
手術に臨む米澤医師 © MSF
ナイジェリアのジャフンの病院での産科プロジェクトでした。当病院で対応する患者のほとんどが合併症妊娠であり、妊娠高血圧症候群や子癇発作、分娩停止、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、癒着胎盤、子宮破裂・膀胱破裂などさまざまでした。症例数が極めて多く、また状態が悪化してから来院するケースも多いため、医療機関へのアクセスが良い日本では滅多に見ない重症症例を数多く経験しました。
 
例えば常位胎盤早期剥離の重症例では、極めて高度な血液凝固異常により術中に子宮に触れただけでもそこから出血してしまうこともあり、余計な出血の原因を自分で作らないように細心の注意が必要でした。
 
また子宮破裂は日本で経験したことはなく、慣れるまでその術野は自分にとっては異質なものでした。また術中所見のみならず患者の家族背景や次回妊娠におけるリスクも考慮しながら、子宮を摘出するべきか温存するべきかの総合的な判断は簡単ではありませんでした。また膀胱破裂の合併例も数例ありました。
 
幸いにも一緒に活動していた日本人産婦人科医の鈴木美奈先生がとても経験のある方(このプロジェクトが当時3回目)で色々と伝授して頂いたり、経験豊富な手術室の現地スタッフからアドバイスをもらったりしながら、日本では経験したことのない重症症例にもなんとか対応することが出来ました。 

優秀な現地スタッフ

現地スタッフは優秀な人が多かった © MSF
現地スタッフは優秀な人が多かった © MSF
出発前のブリーフィングで、現地スタッフが優秀であることは聞いていましたが、実際に現地に着いてみると、彼らの教育レベルの高さは想像以上でした。現地のドクターは14人ほどいましたが、とても知性の高い医師が多く、流暢な英語で活発に議論をしていました。いずれイギリスなどの海外で留学や就職をしたいと考えている医師も多く、モチベーションの高い医師が集まっている印象でした。また手術室のスタッフも経験豊富であり、また皆ユーモアのセンスが高く、よく僕を笑わせてくれました。 

生活環境は十分

滞在していた部屋。<br> ベッドシーツは高級ブランド品(?) © MSF
滞在していた部屋。
ベッドシーツは高級ブランド品(?) © MSF
個室が与えられました。シフトではない時はしっかりと休み、疲れを取るように心がけました。また気分転換に自分の部屋でDVDを観たり、ゲームをしたり、普段はなるべく日本にいるときと同じように過ごすようにしていました。

国際的な環境でプロとして働く

チームで回診する米澤医師(左から2番目)© MSF
チームで回診する米澤医師(左から2番目)© MSF
MSFは現地で患者さんから大きな信頼を得ていました。治療費が無料だからという理由もあると思いますが、何よりも中立的な民間の団体だからということも大きいと思います。そのためか、病院は産婦人科医による治療が必要な患者さんで溢れかえっており、一定の貢献ができたと思います。また経験豊富なスタッフにも恵まれ、臨床家として成長できたことも財産となりました。いずれまたMSFには参加したいです。次の活動がどのようなタイプのものになるかは分かりませんが、国際的な人材としてさらに成長していければと思います。 
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