海外派遣スタッフ体験談
国・人種・性別の違う助産師チームで思いを共有できた
2019年03月26日杉山 結理
- 職種
- 助産師
- 活動地
- 中央アフリカ共和国
- 活動期間
- 2018年7月~2019年1月
大阪の総合周産期医療センターや総合病院、クリニックで勤務し、派遣直前には北海道遠軽町の総合病院で働いていた。退職して初のMSFで中央アフリカへ。首都バンギの周産期病院で活動。青年海外協力隊でベナンに2年間赴任した経験を持つほか、長崎大学熱帯医学研究所の研修過程を修了した。

3つの国から来た3人の助産師

現地では妊産婦のケアに従事しました。安全でない中絶による女性の死亡率が高く、MSFが対応しています。日本から来た私、ベルギーから来た女性助産師、ブルキナファソ出身の男性助産師と、国も人種も違うけれど、助産師として同じ気持ちを共有できました。ブルキナファソの男性は50代のベテランで、こんなに何でもできる助産師(しかも男性!)がいるんだ、と感心しきりでした。
性暴力にあった幼い少女

紛争の激化にともなって性暴力の被害も増え、ケアに力を入れています。7~8歳くらいの少女が自分の兄から日常的に性暴力を受けていたケースでは、初診のとき、怯えきった表情をしていたのを覚えています。MSFを信頼して受診を続けてくれて、診察を重ねると表情も和らぎ笑顔も見せるようになって、助けになれていることを実感しました。
チームリーダーのフランス語が聞き取れず…

© Elisa Fourt/MSF
現場は24時間フランス語なのですが、着任当初、医療チームリーダーのイタリア人女性のフランス語が全くわからず……周りの人に聞きまくったのですが、みんな言うことが違うんです!仕方なく、どの答えでも対応できるようにすべてに準備をして臨みました。だんだんと慣れて、彼女のフランス語も聞き取れるようになりました。
「必ず現地スタッフと一緒に仕事を」

前述のイタリア人チームリーダーが、必ず現地スタッフと一緒に仕事をしなさい、と言っていたのが印象的でした。現地スタッフと私たち派遣スタッフが別のことをしていると、効果は半減してしまう、一緒に同じ仕事をやることでお互いを補い合える。それが私たちのここでの仕事だ、と言っていました。
