海外派遣スタッフの声

モン族の難民キャンプで援助を提供:森脇千英子

ポジション
ロジスティシャン
派遣国
タイ
活動地域
ペチャブンミッション
派遣期間
2007年12月~2008年9月

なぜMSFの海外派遣に参加したのですか?

小学生の頃に見たテレビ番組の影響で、海外で困っている人たちのために働く、ということに興味を抱きました。その後全く違う道に進みましたが、頭の片隅にその思いは残り続けていました。30才を過ぎてからMSFの1日50円キャンペーンに参加し始め、定期的に届くニュースレターを読み、MSFが宗教や人種に関係なく、医療サービスを提供している点、そして医療サービスだけでなく、目撃者として世界の人々に向けて証言活動を行っている点に共感し、いつかこの団体から私も海外派遣ボランティアとして現地に赴きたいと思うようになりました。そして数年後、寄付だけではなく、もっと活動に貢献したいと思い、週に数時間ずつではありますが、約2年間事務局のボランティアとしてMSFに通いましたが、チャンスがあれば現地に行って働きたいという思いは変わりませんでした。

今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

大学では舞台装置デザインの勉強をしましたが、卒業後はアパレル会社の販売促進課に勤務しました。2年弱で退職し、その後は様々なアルバイトをしました。MSFにオフィスボランティアとして通いだす数ヶ月前までは、グラフィックデザイナーとして勤めていました。
都内のとあるブリティッシュパブで、日本語がほとんど話せない外国人達と英語がほとんど話せない私が知り合い、そしてなぜか友達になり、それがきっかけとなり、英会話を自力で学び始めました。留学経験もなく、ビジネス英語も話せませんし、文法もかなり怪しいのですが、様々な国籍人たちと友達になったり、都内にいながらにして異文化交流ができたことは、海外派遣で役立ちました。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

ラオスから逃れてきた「モン」と呼ばれる山岳民族の難民キャンプで、医療サービス、食糧や生活物資の配給、公衆衛生管理などを提供しているプログラムです。この難民キャンプにはMSF以外のNGOは入っていませんでした。
ログ・アドミの仕事は、文字通り、ロジスティシャン(物資調達管理調整員)とアドミニストレーター(財務・人事管理責任者)の仕事、両方をこなします。アドミニストレーターについては、現地スタッフに優秀なアシスタントがいたので、彼女に教えてもらいながら仕事を覚えました。私は、車・電気・通信などロジスティシャンに求められる分野のスペシャリストではないのですが、事前トレーニングで教わったことが役に立ちました。加えて、現地スタッフのスキルも高く、彼らから多くのことを学ぶことができました。 具体的な業務は、下記「一日の流れ」をご参照ください。

朝6時50分起床>>>7時半出発>>>8時過ぎキャンプ到着>>>ストックカードの入力、新しく掘ったゴミ・し尿廃棄穴の視察、配給用の食糧や炭などの発注確認、患者搬送スケジュールの確認及びドライバースケジュールの調整、キャンプ内溝の補修工事の視察など>>>11時30分から12時の間に昼食>>>残業時間の確認、キャンプ運営者とのミーティング、県外の病院に患者を搬送しているドライバーに現状確認の電話、数週間分の領収書のチェック、救急患者搬送のための車の手配、産休に入るクリーナーの後任者の面接、フィールドコーディネーターとミーティングなど>>>5時頃帰宅の途につく。帰宅後はメールの返送信をし、週に一度はミーティングを行う。

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

部屋でDVDを見たり、本を読んだり、近くにあるリゾート施設のプールに泳ぎに行ったり、タイマッサージに行ったりしました。肩こり・腰痛もちなので、大変助かりました。セキュリティーに問題が無かったので、一人で自転車や徒歩で出かけたりもできました。
あとは、ほぼ毎週末料理をしていました。タイ人のコックさんを雇っており、平日の夕飯は彼女が全て用意してくれましたが、多国籍なチームであったことと、お米やタイ料理に飽きていたこともあり、私がパスタやス-プを作ると喜んで食べてくれました。和食では、お好み焼きとかぼちゃの煮つけが好評でした。

現地での住居環境についておしえてください。

3階建てで、各自部屋が与えられ、トイレやシャワーは共同でしたが、5つもバスルームがあったので喧嘩になるようなことはありませんでした。シャワーは一応温水ですが、水不足の時期は大きなポリバケツに溜めておいた水を使っていました。
様々な海外派遣経験者の方々から、いろいろと過酷な住環境を聞いていたので、自分はかなり恵まれていると思いました。

良かったこと・辛かったこと

良かったことは、日本では報道もされないような出来事を、自分の目で見、肌でその緊張感を味わったこと。そして自分の撮影した写真が、MSFのホームページに取り上げられ、世界中の人に現状を訴える活動にも少しは役に立てた、かも?と思えることです。

派遣期間を終えて帰国後は?

2週間ほど実家に帰りました。次のミッションに行く気はあるのですが、今後の人生についてももう少し考えておくべきか?と思っています。予定を立てたところで、予定通りには行かないとも思いますが・・・。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

スペシャリストとしての経験はもちろん大事ですが、人生経験も大事かな、と思います。現地では特に、誰かが何かをしてくれるのを待たず、自ら積極的に行動を起こしてください。あと、余裕がない時こそユーモアのセンスが大事だと思いました。