海外派遣スタッフ体験談

湿度90%以上!過酷な夏のバングラデシュでロヒンギャ難民を支援:平塚 竜一

2019年02月19日

平塚 竜一

職種
ロジスティシャン
活動地
バングラデシュ
活動期間
2018年4~10月

Q国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

前回のナイジェリア派遣では、仕事に物足りなさを感じた一方、MSFをより深く知りたいとも思いました。ナイジェリア滞在中から、次の活動を検討している旨を日本事務局に伝え、約1ヵ月の休暇をはさんでバングラデシュに出発しました。 

Q派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?

2週間は日本で過ごし、残りの2週間はベトナムで過ごしました。いずれにしてもリフレッシュに努めるようにしました。準備は特にしていません。 

Q過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか?どのような経験が役に立ちましたか?

ナイジェリアでは「ログ・アドミ」というポジションで、ログでありながら財務やペーパーワークも多々ありました。

バングラデシュでは赴任後3ヵ月ほどで緊急プロジェクトから通常プロジェクトへ切り替えられ、予算が削減されました。そのため、財務面ではより正確な月予算の確保とフォローアップが求められました。

ナイジェリアでアドミニストレーターの業務経験があったため、財務の都合を加味してスムーズにお金を確保でき、結果、素早く活動を進めることができました。 

Q今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

現地スタッフと(右が筆者) © MSF
現地スタッフと(右が筆者) © MSF
最初の3ヵ月は緊急プロジェクトだったため、海外派遣スタッフ約30人と現地採用スタッフ約300人を抱えるメガプロジェクトでした。18台の車両と28人のドライバーがおり、海外派遣スタッフの目的地も多様だったので、移動の管理で精一杯でした。これに加えて、キャンプ内での事故・デモ等セキュリティ情報の収集やモンスーンによる交通遮断時の迂回路選択など、アクセスに関わる仕事を全般的に担いました。

通常プロジェクトに切り替わった後は全体の生活環境向上を主な業務としました。バングラデシュは高温多湿かつネズミや害虫が多い地域のため、海外派遣スタッフ全員を巻き込んで住居・オフィスの使い方や衛生管理を徹底。また、コミュニティスペースとして屋上にバンブーハウスを建設するなどして環境を改善させていきました。 
Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

7月までは週6勤務で金曜日が休日でした。周辺には行くところもすることもなく、基本的には部屋で休んでいました。 

Q現地での住居環境について教えてください。

宿舎周辺の風景 © MSF
宿舎周辺の風景 © MSF
一般住宅を借り上げて宿舎にしていました。赴任当初はスタッフ数が多かったため、2人でルームシェアをしていました。どこにいても誰かしらいて、1人の時間を確保することが非常に困難でした。

バングラデシュの夏は日本以上に高温多湿な上、田んぼと木々に囲まれた地域に住居があったため、風が全く抜けず湿度計は常に90%以上を指していました。クーラーもないため常に汗が止まらず、今回の活動で最も辛かったことは気候と住環境だったと思います。 
Q活動中、印象に残っていることを教えてください。

海外派遣スタッフや現地スタッフとの出会い、またロヒンギャ支援という世界的にも注目されている援助を通してさまざまなことを見聞きしたことはもちろん、お金の大切さも改めて学びました。

通常プロジェクトへ移行した際には大幅な予算削減があり、どんなに素晴らしい活動計画を立案しても予算が立たなければ何もできませんでした。不必要な削減はプロジェクトに悪影響を及ぼすこともあり、バランスが重要だと感じました。

通算1年以上にわたって活動し、MSFそのものには馴れてきました。次回は、「ヒト」や「カネ」の部分にも配慮しながら励みたいと思いました。 

Q今後の展望は?

2ヵ月ほど休み、また活動したいと思っています。その間はダイビングをしにアジア各国へ行きます。ダイビング仲間募集中です。 

MSF派遣履歴

  • 派遣期間:2017年7月~2018年3月
  • 派遣国:ナイジェリア
  • プログラム地域:ボルノ
  • ポジション:ロジスティシャン

この記事のタグ

職種から体験談を探す

医療の職種

非医療の職種

プロジェクト管理の職種

活動地から体験談を探す

国・地域