海外派遣スタッフ体験談
寄付者から国境なき医師団(MSF)スタッフへ転身 休職して初の活動参加:堀江 純
2018年08月28日堀江 純
- 職種
- 財務コーディネーター
- 活動地
- ナイジェリア
- 活動期間
- 2018年3月~7月

- Qなぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?
以前からNGOの仕事をしてみたいと漠然と思っていました。そのような考えを持ってから5年ほど経ち、まだ何も行動できていないことに気づき、1年間会社を休職して、以前から寄付をしていたMSFで働くことを決断しました。
- Q派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?
仕事をしていたのであまり準備はできませんでしたが、MSFのウェブサイトで活動内容などを見るようにしていました。
- Q今までどのような仕事をしてきましたか?また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?
外資系メーカーで経理・管理を担当していましたので、専門知識と経験がMSFの現場で直接役に立ちました。海外との会議が多い企業にいたため、英語でのコミュニケーションや異文化交渉の経験も生かせました。
- Q今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

ナイジェリアのボルノ州は、過激派勢力「ボコ・ハラム」が活動し攻撃していた地域です。政府軍による制圧で、大半の地域は以前より比較的安全になった一方で、郊外では未だに自爆テロなどが起きています。

MSFはこの地域でさまざまな活動をしています。私が活動したチームは、主に小児科病院を複数運営しており、私は「コーディネーション」と呼ばれる活動国の本部で2人の現地スタッフと共に経理・財務を担当しました。
銀行がない地域もあり、キャッシュフローや現金管理には気を使いました。
銀行がない地域もあり、キャッシュフローや現金管理には気を使いました。
- Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

毎週初めにセキュリティー状況に関する全員参加の会議があり、月〜金曜、朝8時から夕方6時の勤務で支払い、決算、資金繰り・予算の見直しなどを行っていました。
平日の夜はムービー・ナイトで同僚たちと映画鑑賞、ビールを飲みながらチームメンバーといろいろ語り合ったり、サッカーW杯を見て盛り上がったりしていました。週末には、読書や他団体のスタッフとスポーツをして気分転換していました。
平日の夜はムービー・ナイトで同僚たちと映画鑑賞、ビールを飲みながらチームメンバーといろいろ語り合ったり、サッカーW杯を見て盛り上がったりしていました。週末には、読書や他団体のスタッフとスポーツをして気分転換していました。
- Q現地での住居環境について教えてください。

小さなホテルを借り切って事務所兼宿泊施設として使っていました。各自エアコン、トイレ、シャワー付きの個室で過ごせて、プライバシーはありましたが、治安上、外出が自由にできませんでした。そこはみんなで工夫しながら気分転換を図っていました。
- Q活動中、印象に残っていることを教えてください。
ボルノ州は比較的貧しい地域ですが、街で一度も口論やけんかを見たことがありませんでした。一方、休暇で首都アブジャの空港から事務所に向かう際に、道端で複数の口論を見たことが非常に印象的でした。貧困地・裕福地と喧嘩・平和が反比例に増減しているように感じ、なぜかを考えさせられました。
- Q今後の展望は?
休職期間があと6ヵ月あるので、一番有意義に過ごすため検討中です。
MSFでまた活動するなら、次はコーディネーションではなく、より現場に近い形で参加してみたいです。
- Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
判断に迷っている場合は、入手可能な情報で決断をすることを提案します。一歩前進することで新たに見えてくるものがあり、その次が見えてくると思います。