海外派遣スタッフ体験談

スタッフの手書き英語、もう解読できる!:佐藤 真史

2018年07月10日

佐藤 真史

職種
手術室看護師
活動地
パレスチナ
活動期間
2018年5月~6月

Qなぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

看護師になって国際協力をしたいという希望は以前からもっていました。MSFの活動についても、憧れてはいたのですが、語学力の問題で合格できないだろうと考えていました。妻からの勧めもあり、思い切って申し込んでみたら合格して、参加することになりました。

Q派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?

語学力向上のため、インターネット英会話に取り組んでいました。また、業務上必要になるであろう専門用語の英単語を覚えられるよう勉強しました。

Q今までどのような仕事をしてきましたか?また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

ガザの海岸にあるオブジェ
ガザの海岸にあるオブジェ
中東パレスチナのガザ地区で、緊急援助活動に携わりました。

ガザでは、2018年3月から、パレスチナ難民の帰還を求める抗議活動「帰還の行進」が続いており、ガザとイスラエルを隔てる境界線付近でデモが活発に行われていました。そこで、参加者がイスラエル軍に銃撃され、MSFが活動する病院にも四肢を撃たれた患者が多くやってきていました。
 
一緒に働いたスタッフとともに(筆者中央上)
一緒に働いたスタッフとともに(筆者中央上)
 私は手術室看護師として1日平均5~6件の手術に付きました。海外派遣スタッフの数は、合計で30人近くいたと思います。常にスタッフが入れ替わって、多くの海外派遣スタッフが関わった異例のプロジェクトでした。

手術室スタッフは外科医1~2人、麻酔科医1~2人、手術室看護師は現地スタッフを含む2~3人で、主に下肢の銃創に対する形成外科の手術でした。
Q派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

手術のようす(筆者左から2番目)
手術のようす(筆者左から2番目)
 朝9時に宿舎から病院に直行し、ミーティング。その後、手術を開始。午後4~5時頃に終わって、宿舎に戻るというタイムスケジュールでした。

5月14~15日、在イスラエル米国大使館の移転をきっかけにガザでデモ活動が激化。負傷者が多く病院に運ばれてくる緊急事態に発展し、病院に泊まりがけで手術に付きました。

勤務時間外は食堂で仲間と話したり、休日には買い物や海岸を散歩したりもできました。
Q現地での住居環境について教えてください。

1つの建物に海外派遣スタッフ全員が寝泊まりしていました。食事もおいしく食べることができました。たびたびの停電とネット回線が不安定だったことがストレスといえばストレスでした。

Q活動中、印象に残っていることを教えてください。

赴任中、仲間と「国際看護師の日」をお祝いした
赴任中、仲間と「国際看護師の日」をお祝いした
 着任当初、意外に困ったのが英語のリーディングでした。日本では通常、電子カルテで仕事をしていますし、ちゃんと活字になった英語しか読む機会はほとんどないと思います。しかし現地では、スタッフの手書きで、それもミミズの這ったような字で書いている人もいます。次第に慣れてくると、それも何となく分かってくるようになる、という発見もありました。
Q今後の展望は?

語学。日本滞在中もなるべく語学力をキープしながら、次の活動参加に備えたいです。

Q今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

仕事や家庭など、派遣に際してはいろいろと問題もあると思いますが、日本では得られない貴重な経験を得ることができると思います。

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