海外派遣スタッフの声

プロジェクト立ち上げで仲間と苦労を乗り越える:室町 知隆

ポジション
薬剤師
派遣国
シエラレオネ
活動地域
コイナドゥグ
派遣期間
2016年1月~2017年1月

国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

前回マラウイへの派遣終了後にこのシエラレオネでの活動のオファーがありました。2014年のエボラ出血熱の流行期間中にもシエラレオネに派遣されており、終息宣言が出された後、医療体制はどのようになっているのか、どうやって立て直していけるのかにも興味があったからです。

派遣までの間、どのように過ごしましたか?どのような準備をしましたか?

前回の派遣終了から今回の派遣開始までの期間があまり長くなかったので、休憩とリフレッシュする時間にあてていました。

過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか?どのような経験が役に立ちましたか?

今回の活動はプロジェクトの新規立ち上げということもあり、新しく雇用したスタッフを対象としたトレーニングと教育を担当した経験が特に役に立ちました。その内容は、MSFのスタンダードを身につけてもらうことと、プロトコルに沿った活動を行うための訓練でした。

今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

プロジェクト立ち上げから3ヵ月を記念したセレモニーの後で プロジェクト立ち上げから
3ヵ月を記念したセレモニーの後で

母子保健を目的にしたプロジェクトで、シエラレオネ北東部コイナドゥグ県の中核病院に当たるカバラ病院のサポートです。

新規プロジェクトなので病院を改装し、薬局もゼロから作り上げ、開業に向けてスタッフのリクルートやトレーニングも行いました。

病院への定期的な医薬品の供給、MSFの治療プロトコルの管理、定期的な医薬品の国際発注と来年度の予算の作成、プロジェクトを所管しているMSFスペイン事務局とのやり取り、保健省の関係者とのミーティング、ほかのMSF事務局との連絡などが主な業務でした。

プロジェクト準備期間には外国人派遣スタッフ5~6人でスタートしましたが、最終的には常時12人以上となりました。現地スタッフは計200人ほどでした。

薬局では4人の現地スタッフ(プロジェクトに3人、首都でのコーディネーション業務に1人)を採用していました。このプロジェクトはマラリアの流行が特に高い地域で行っていたため、子どもの入院患者の80%以上が重症マラリアでした。

2016年3月末ごろから麻疹(はしか)の症例が報告されるようになったため、4月から5月に予防接種キャンペーンを緊急プロジェクトとして行いました。ワクチンの緊急輸入・温度管理とその他の資材の供給に関して保健省側の責任者と交渉し、県内約8万人の子どもに接種を行いました。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

みんなで巻き寿司を作りました みんなで巻き寿司を作りました

特に固定されたスケジュールはありませんでしたが、主にデータ整理やレポート作成をしていました。必要書類の作成が優先のときはオフィスでデスクワークをし、それ以外のときは薬品倉庫で現地スタッフと共に働いたり、病院で各部署の巡回とサポートを行ったり、必要なときは首都の活動拠点に出向いてミーティングをしたりと、柔軟に動いていました。

勤務後の時間は有志でヨガをやったり、時々ランニングに出かけたり、ワークアウトやバドミントンをしたりしていました。週末で時間があるときは料理したり、首都に滞在するときはビーチまで出かけていったりすることがありました。

現地での住居環境について教えてください。

初めのころは民間のゲストハウスに宿泊し、オフィスとして使っていました。MSFの宿舎がある程度できた頃にそちらに移り、一部屋3人の相部屋になりました。

宿舎の完成後は個室になりましたが、割り当てられた部屋によってはベニヤ板で仕切られただけの間取りでした。そのためマラリアを媒介する蚊も自由に部屋に入ってくることができてしまいました。

宿舎の敷地内にはオフィスと薬品倉庫が併設されていました。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

プロジェクトが最初の計画通りに進まず、なんども大小の計画変更、予算修正を繰り返しました。状況に適応できるよう軌道修正をしたことには苦労しましたが、それぞれのスタッフも苦しい中での助け合いで何とか乗り切れたことが印象的でした。

人生初めてのマラリアになりました。1年の派遣期間で2回なったのですが、1回目のときは高熱、頭痛、めまい、関節痛、食欲不振が数日つづいて、マラリアってこんなにえらい(=大変な)ものか、現地の人たちは大変だなと思いました。2回目は熱もほとんど上がらず、免疫ができたようで意外と平気でした。

今後の展望は?

これまでの派遣ではアジア地域の国に行ったことがないので、機会があれば行ってみたいです。しばらくは日本の臨床に戻り働きます。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

いつも、派遣中は大変なことがあるけれど、最後は全体的に見てよかったな、と思える活動です。また、いろいろな経験をし、問題解決ができ、また解決できなくてもそれから学べること、得られることはとても大きいです。

MSF派遣履歴

派遣期間
2015年2月~2015年11月
派遣国
マラウイ
プログラム地域
ブランタイヤ
ポジション
薬剤師
派遣期間
2014年12月~2015年1月
派遣国
中央アフリカ共和国
プログラム地域
バンギ
ポジション
薬剤師
派遣期間
2014年1月~2014年11月
派遣国
シエラレオネ
プログラム地域
ボー
ポジション
薬剤師
派遣期間
2013年8月~2013年10月
派遣国
シリア
プログラム地域
ポジション
薬剤師
派遣期間
2012年11月~2013年5月
派遣国
ナイジェリア
プログラム地域
アブジャ
ポジション
薬剤師
派遣期間
2012年1月~2012年9月
派遣国
パプアニューギニア
プログラム地域
ブーゲンビル島ブイン
ポジション
薬剤師