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海外派遣スタッフの声

美しいシリアの星空、その下では紛争が: 水野阿弓
- ポジション
- 手術室看護師
- 派遣国
- シリア
- 活動地域
- —
- 派遣期間
- 2012年11月~2012年12月
なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?
元々海外旅行が好きで色々な国に行くことが好きでした。世界中から集まって来た人たちと医療活動をするMSFは、一定の期間、一緒に働き生活を共にすることで、互いの文化をより理解できると感じました。
また、テレビや新聞などのメディアからの情報だけで、個人で訪れることが難しい未知なる国や地域のことも、実際に自分がその土地に住み、現地のスタッフと共に働き、空き時間に話したりすることで彼らの生活や状況、文化がより身近に感じると思ったからです。
今までどのような仕事をしていたのですか?どのような経験が海外派遣で活かせましたか?
病院の手術室で勤務していましたが、その中で夜間帯に手術器械の洗浄・滅菌業務を経験していたこともMSFで活かせました。
ほかに、オーストラリアへのワーキングホリデー中にナーシングホームで多国籍のスタッフと働いていたことや、数ヵ月間、途上国をバックパッカーとして旅していたことも、色々な環境下に適応することが求められるMSFに参加する以前に経験していてよかったと思います。
今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?どのような業務をしていたのですか?

地域で立ち上がったばかりのプロジェクトだったので、私が最初の手術室看護師でした。手術室のセットアップや手術器械の洗浄・滅菌操作の現地スタッフへの教育も行いました。
外国人スタッフはフィールドコーディネーター、麻酔科医、一般外科医、整形外科医、産婦人科医、助産師、ERドクター、ER看護師、病棟看護師、医療チームリーダー、病院ロジスティシャンがいました。
始めの頃は2~3件/日の手術でしたが、だんだん忙しくなってきて、帰国前には5~6件/日になっていきました。
症例は、銃創や爆弾被害によるデブリードメント(感染を起こした傷や壊死した組織の切除)、骨折の整復や創外固定術、帝王切開、全身火傷などが多くの症例でした。この施設で対応しきれない症例はトルコの病院に搬送するので、状態を安定させてから、国境まで迎えに来てくれるトルコの救急車へ患者を搬送することもありました。
現地の手術室看護師は1人だけだったので、夕方以降の手術やイスラム圏の休日の金曜日は外国人スタッフのみでの対応でした。
週末や休暇はどのように過ごしましたか?
週1回、隣国トルコで24時間過ごすことができました。トルコでは行動制限がなく自由に歩けるので、買い物やレストランに行ったり、電気のある生活を満喫したり。ただ、セキュリティの都合でトルコに行けない時は、シリアの家で映画を見るなどして過ごしていました。
現地での住居環境についておしえてください。
家には12人くらいのチームが住んでいて、男女別3~4人の相部屋でした。部屋にはマットレス、毛布、4段引き出しのみの簡易な設備でした。季節が冬で東京と同じくらいの気温なので、最初はとても寒かったのですが、途中で全部屋に薪ストーブが設置され暖かく過ごせました。
電気がないので、日没後はトイレやシャワーに行くにも懐中電灯が必須です。行動範囲は病院内、家と病院の往復のみですが、日没前に単独でなければ歩いて病院に行くことができました。
料理はシリア人の親子が担当してくれていて、毎日とてもおいしいものを作ってくれました。多忙なミッションだったにも関わらず、なぜか体重が減らなかったのは、コックさんの作る料理がおいし過ぎたからだと思います。
良かったこと・辛かったこと
<良かったこと>
とても良いチームに恵まれたことです。忙しいにも関わらずいつも楽しく過ごしていました。
また、シリアでは日本人はとてもウェルカムなので、日本人をとても温かく受け入れてくれます。
そして屋上からの星空は忘れられません。流れ星も何度も見ることができ、そんな綺麗な星空の下で紛争が起きていることが信じられないと思うくらいです。
<辛かったこと(大変だったこと)>
とにかく忙しく働いていました。昼食は17時以降でした。毎晩オンコールがあり、夜中に緊急手術で呼ばれることもありました。
派遣期間を終えて帰国後は?
しばらく日本でゆっくり休暇を取ります。
今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス
日本ではできない貴重な経験や出会いがたくさんあり、勉強になります。モチベーションの高い世界中から集まったMSFの人達と共に活動することはとても刺激を受けます。
日本が平和で便利で豊かな国であることを心から実感できます。日本にいると気付かないような便利さにも当たり前ではないと感謝します。過酷な状況下にいる人々を目の前にし、直に接することで、世界で今何が起きているのか考えさせられます。
現地でさまざまな体験をすることで、人間としても専門職としても大きく得るものがきっとあります。興味のある方はぜひ挑戦して下さい。
MSF派遣履歴
- 派遣期間
- 2012年7月~10月
- 派遣国
- イラク
- プログラム地域
- ナジャフ
- ポジション
- 手術室看護師
- 派遣期間
- 2011年1月~8月
- 派遣国
- スリランカ
- プログラム地域
- ブライティブ
- ポジション
- 手術室看護師
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