海外派遣スタッフの声

エボラ対応プログラムへ2度の派遣を経験:井田 覚

ポジション
水・衛生管理担当、ロジスティック・コーディネーター
派遣国
リベリア、シエラレオネ
活動地域
モンロビア、フリータウン
派遣期間
2014年12月~2015年2月、2015年3月~5月

なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

史上最大規模のエボラ流行が猛威をふるい、西アフリカ3ヵ国で1万人以上が犠牲になった中、当時、終息する見込みが見えず、拡大する脅威を感じた。国境なき医師団(MSF)は以前にもエボラ流行に対応しており、経験と知識があり、効果的な活動ができると考えた。自分のスケジュールで都合が合ったときにMSFの活動に参加した。

派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?

リベリアへ派遣される前はMSFが作成したエボラ対応プログラムの研修ビデオで勉強した。

リベリアから帰国して、次の派遣でシエラレオネへ行くまでの間はインターネット上のオンライン講義「ムーク(MOOC)」の「Future Learn」を通じてエボラと対応活動の大学講座を受けた。

今までどのような仕事をしてきましたか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

緊急活動の目標と戦略設定、人事と治安管理、ロジスティックスと衛生管理の技術知識の応用ができた。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

私が参加した時点のリベリアとシエラレオネでのMSFエボラ対応プログラムの主な活動は、

リベリアでMSFが運営したエボラ治療センター リベリアでMSFが運営したエボラ治療センター
  • エボラ治療センターで患者の隔離と治療
  • 啓発活動
  • 患者とご遺体の安全な搬送と埋葬
  • 感染症の疫学的監視
  • 接触者の追跡調査
  • 患者、家族、スタッフの心理ケア
  • 回復者と家族の支援および医療・心理ケア
  • エボラ患者住宅や公衆トイレの消毒
  • 世界保健機関(WHO)やほかの援助団体・機関の専門知識研修
  • 証言・広報活動
  • リベリアの地方診療所の支援

リベリアでは、私は水と衛生管理を担当し、以下の業務を担った。

  • 予防防具の正しい着脱方法の指導
  • 水と塩素溶液の供給
  • エボラ患者とご遺体の安全な搬送と埋葬
  • 医療廃物の処理
  • リベリア保健省が運営する診療所の、水と衛生管理の支援

シエラレオネではロジスティックスを担当した。

  • 拠点の建設と移動
  • 水と衛生管理
  • 物資の調達
  • 車両と通信の管理
  • 電気の供給
  • 治安管理

どちらの活動でも活動の目標と戦略設定に貢献し、100人以上のスタッフを管理・指導した。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか? また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

週7日間、1日12~15時間ぐらい、事務所を置く拠点とエボラ治療センターで勤務し、指導しているチームの活動地域と、支援している診療所を巡回した。宿舎へ帰宅後も会議やメール、報告書などの処理と翌日の準備を行った。

任期後半、週1日、日曜日に出勤するのを控え、派遣期間中に計3回ぐらい、日曜日に外食したり、海水浴に行った。それ以外は、娯楽などを楽しむ時間はなかった。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

回復後、心理ケアを受けるシエラレオネの患者 回復後、心理ケアを受けるシエラレオネの患者

特効薬とワクチンのないエボラ出血熱が流行地に与える恐怖。患者、回復者、家族や現地スタッフの苦しみ。エボラ流行地での日常の感染予防対策のストレス。WHOや国家エボラ対策本部、ほかの団体のエボラ対策活動の方針と質の違いから発生したフラストレーション。活動を進めることによって生まれたジレンマ。そういった部分で難しさを感じた。

シエラレオネで症例数が減少してMSFのエボラ治療センターを閉鎖した後は、活動の新しい方向を定めるのに苦労した。自分の活動時、シエラレオネには他団体や援助機関が多く入っていたが、組織の間でさまざまな活動が上手く調整できていなかったので、援助が重複したり衝突したり、適切な支援が届いてないこともあった。

流行がまだ続いていて安心できる状況ではなかったが、症例数の減少を受け、我々のチームはシエラレオネから引き上げることが決まった。犠牲者、回復者とその他エボラ流行の影響をうけた人びとの絶えない苦痛を考えると安易に決められることではなかった。

一緒に流行と戦ってきたスタッフや地元の協力者などに感謝を表して、引き上げを説明した。プログラム閉鎖に伴う大規模な現地スタッフのリストラは緊張が高まる仕事だが、慎重に基準を説明して、公平性と透明性を保ち実行した。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

勇気を持って応募してください。やりがいがある活動です!

MSF派遣履歴

派遣期間
2013年6月~2013年12月
派遣国
コンゴ民主共和国
活動地域
南キブ州
ポジション
副活動責任者
派遣期間
2011年7月~2013年5月
派遣国
イエメン
活動地域
サアダ、アデン、サナア
ポジション
プログラム責任者、副活動責任者
派遣期間
2011年3月
派遣国
日本
活動地域
宮城県
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2010年1月~2010年2月
派遣国
ハイチ
活動地域
ポルトープランス
ポジション
プログラム責任者、ロジスティック・コーディネーター
派遣期間
2009年1月~2009年2月
派遣国
パレスチナ
活動地域
ガザ
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2008年7月~2008年9月
派遣国
カメルーン
活動地域
ヤウンデ
ポジション
ロジスティック・コーディネーター
派遣期間
2008年5月~2008年6月
派遣国
ミャンマー
活動地域
ポジション
プログラム責任者
派遣期間
2007年5月~2008年2月
派遣国
イラク
活動地域
クルディスタン
ポジション
ロジスティシャン、ロジスティック・コーディネーター
派遣期間
2007年2月~2007年4月
派遣国
スーダン
活動地域
アビエイ
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2005年10月~2006年6月
派遣国
パキスタン
活動地域
マンセーラ
ポジション
ロジスティシャン