特集

思いをつなぐ「こころの手紙」

命を守る活動を支えてくれる人たちへ

2022.02.16

いつも私を支えてくれる夫の龍一さんへ

いま、この手紙を2カ国目の派遣地となるイランで書いています。この手紙を通じて、MSFの活動に専念できるよういつも私を支えてくれる龍一さんに、感謝の気持ちを伝えます。 
 
40代になった私が、再び人道支援の仕事に就きたいと言った時、「悔いのないようにチャレンジしてごらん」と背中を押してくれたのは龍一さんでした。 
 
人道支援の仕事は、長期間家を離れる仕事。いつも一緒に暮らす家族が不在になると、残される者は寂しい思いをします。情勢不安定な場所に派遣されることもある仕事です。家族は、不安な気持ちと向き合わなくてはいけません。人道援助活動への参加は、送り出す家族にとっても心理的負担の大きいものです。 

あなたが生き生きと働く姿を見るのは嬉しい

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龍一さんも妻が国境なき医師団(MSF)の活動に参加することに、葛藤があったのではと思います。でも、あなたは、不安や寂しさを見せることなく、一貫して妻の思いを応援してくれました。MSFに登録が決まり、ウガンダに最初の派遣が決まった時も、2カ国目の派遣先がイランに決まった時も、誰よりも喜んでくれたのが龍一さんでした。旅の門出にと、出発日の朝、早起きして用意してくれたいなり寿司の味は、大切な思い出です。 
 
「あなたが生き生きと働く姿を見るのは嬉しい」 
 
そう言って、異国の地で奮闘する妻を誇りに思ってくれる龍一さん。あなたの支えがあるから、明日も頑張ろうと思えます。本当にありがとう。これからも応援宜しくお願いします。

国境なき医師団アドミニストレーター 田村 真理子

いつもご支援してくださっている皆さまへ

普段より国境なき医師団(MSF)へのご支援、誠に感謝いたします。 
 
私はロジスティシャンとして自動車の整備を担当しています。私のチームは、車両や発電機などの機器を管理し良好な状態に保つことで 医療チームをサポートするのが仕事です。使用しているのは日本のメーカーの自動車が大半なので、現地の人たちは、私のことを「日本から来た整備士だ」と、とても喜んでくれます。それは日本で整備士としての教育を受けて経験を重ね、その技術をこの活動で役に立てることができると実感する瞬間です。 

心がけているのは、わずかな金額も無駄にしないように、ということ——

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私たちの活動は苦しいことばかりではありません。安全性のレベルは活動する地域によってさまざまですが、志を共にする仲間と一つの目的に向かって努力する生活はとても充実したものであり、余暇も十分に満喫することができます。
 
ハイキングやショッピングに出かける人、 疲れた体を休めるために部屋でのんびりと過ごす人などさまざまですが、現地の人びととの交流も新しい発見があったりと、私たちの心を豊かにしてくれます。食事の世話やスタッフハウスの管理などは現地のスタッフが担当してくれ、私たちの活動を支えてくれています。 その支えをもとに私たちは医療チームを支え、医療チームは現地の人びとの役に立つよう日々奮闘しています。 
 
私たちは活動の中で予算を組み、車両を購入し、必要な部品を揃えて定期的な点検を行っています。その際に心がけているのは、わずかな金額も無駄にしないように、ということです。なぜならば、私たちの活動資金は皆さまのご寄付により成り立っているからです。そのことを現地のメンバーに伝え、彼らもそれを理解し、とても協力的に働いてくれます。 
 
現地で活動に携わる人だけが参加者ではなく、私たちの活動に賛同し、ご支援くださる皆さまも同じ参加者だと私は考えております。 

いま一度、感謝を述べさせてください。ご支援してくださり誠にありがとうございます。今後もMSFの一員として活動を続けてまいります。今後ともよろしくお願いします。 

国境なき医師団ロジスティシャン 金子 将規

心の底から感謝を伝えたい

数カ月前に息子のアリフが感染症にかかり、多くの医療機関に連れて行きましたが、皮膚の感染症は治らず、悪化していきました。そんなとき、同じような感染症にかかったことがある姉から、ペシャワールにある国境なき医師団(MSF)の病院で治療を受けたという話を聞きました。その病院で息子は感染症の検査を行い、治療を開始しました。MSFは私たちにとてもよくしてくれて、お金を要求することもなく、治療を行ってくれました。 

私の子どもには、人びとのために奉仕することのできる人間になってもらいたい——

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9月に入ると、MSFはペシャワール郊外にサテライトクリニックを開設し、郊外に住む人びとからよりアクセスのよい場所で診療を開始しました。息子がかかっている感染症の皮膚リーシュマニア病の治療には、毎日または隔週の注射が必要です。私も以前は病院まで来るのに毎日3時間もかかっていたため、予約を取り損ねることもありました。 
 
とても嬉しかったです。今ではここに来るのに1時間しかかからず、時間の節約になっています。 今は、姉の皮膚感染症が治ったように、息子の皮膚感染症も治るのではないかと期待しています。 
  
心の底から、支援者の皆さまに感謝を伝えたいです。あなた方のおかげで、私の息子や仲間がこの場所で病気の治療を受けることができています。これからも寄付を続けてください。将来、私の子どもには、人びとのために奉仕することのできる人間になってもらいたいと思います。私は息子が医者になることを願っています。 

ムハンマド・アリフ(患者)、ムハンマド・サキーブ(父)
パキスタンより

南スーダンより感謝を込めて

南スーダンがまだスーダンの一部だった時、私はスーダンのハルツームで生まれました。 私には8人の兄弟姉妹がいましたが、そのうち5人は子どものうちに亡くなりました。紛争の影響で、子どもの頃の12年間、私は両親から離れて暮らし、全く連絡が取れない状況でしたが、ウガンダの難民キャンプでまた再会することができました。 いま私は結婚し、娘が1人います。そしてアウェイルの国境なき医師団(MSF)の産科病棟で、助産師長として働いています。 

患者さんが笑顔で赤ちゃんと一緒に家に帰る姿を見るとき、誇りに感じます

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幼い頃、ハルツームの小学校で学び、それからウガンダの難民キャンプに移った後、そこの小学校に通いました。ウガンダの中学校には通い続けるのが経済的に困難だったため、再びスーダンに戻り、そこで中学校を卒業しました。その後、小学校で教えながら奨学金を取得し、助産コースで学ぶことができました。そして2015年、アウェイル州立病院でMSFの助産師として就職しました。  
 
南スーダンの妊産婦死亡率は当時1万件中1110人と非常に高く、それが助産を仕事にしたいと思った理由です。予防可能な産科の病気で亡くなっていく女性と子どもたちを見るのは本当につらいことでした。 
 
現在私は、MSFで母子医療を提供しており、これからもプロの助産師としてより成長していきたいと思っています。 
 
そして、日本の寄付者の皆さま、あなたの寄付が無駄になることは決してありません。皆さまのご寄付のおかげで、私たちの現場で提供する質の高いケアが実現しています。 MSFは、安全で効果的に、かつ情熱を持って患者さんを治療しています。 私はMSFの中立、独立、公平の原則のもと、困窮している人びとに医療を提供できることを嬉しく思っており、患者さんが笑顔で赤ちゃんと一緒に家に帰る姿を見るとき、誇りに感じます。

国境なき医師団助産師 マティアン・マジョク・デン

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