特集

エンドレスジャーニー バーチャル・ウォーク

終わらせたい、強いられた旅路──ロヒンギャ難民に想いを寄せて歩きませんか

2022.05.24

2022年6月5日(日)~7月2日(土)、バーチャル・ウォークを開催

国境なき医師団(MSF)は6月20日(月)の「世界難民の日」を前に、生きるために故郷を追われたロヒンギャ難民の過酷な避難の道のりに想いを寄せるイベント、「エンドレスジャーニー バーチャル・ウォーク」を開催します。

世界には、生きるためにやむなく、終わりの見えない「エンドレスジャーニー」を歩まねばならない人びとがいます。故郷を追われ、移動を強いられた人びとの生活環境は過酷で、心身の健康がむしばまれていきます。
 
国境なき医師団(MSF)は、そのような人びとが健康を取り戻し、安心して暮らせるよう、懸命に医療援助を続けています。

ロヒンギャの人びとを想い、一緒に歩きませんか。想いを共有し、声を上げ続けることで、顧みられない人たちがいなくなる日が来ることを信じて。皆さまのご参加をお待ちしています。

90万人が故郷を追われ── 難民となったロヒンギャの人びと

2017年8月、ミャンマー西部ラカイン州で、ミャンマー国軍によるイスラム系少数民族のロヒンギャを狙った大規模な掃討作戦が発生しました。村は焼き打ちにあい、多くの人が殺害され、生き延びた人びとも家族離散や命の危機に直面しました。

最初の1カ月間で、42万人以上(※1)がラカイン州を離れ、多くの人が隣国バングラデシュ南部の難民キャンプまで山や川を越え何日間も歩いて避難しました。

掃討作戦からまもなく5年を迎える今もなお、90万人以上(※2)がバングラデシュ・コックスバザール県にある難民キャンプや、バングラデシュ当局が新たに整備した孤島、バサンチャール島にとどまっています。長引く避難生活に、人びとは肉体的にも精神的にも追い詰められ、基本的な権利や医療へのアクセスも制限されています。
 
MSFは、ロヒンギャ難民への医療援助を続けるとともに、現地で見聞きする危機的状況や人びとの声を届ける証言活動にも力を入れています。 

※1 国連難民高等弁務官事務所 2017年9月 ※2 国連難民高等弁務官事務所 2022年3月
© Pablo Tosco/Angular
© Pablo Tosco/Angular

参加のステップ

  1. Step 01オンラインフォームからお申し込み

    ウォーク最終日の7月2日(土)までお申し込みいただけます。参加費は無料です。

      お申し込み お申し込み
        
  2. Step 026月5日(日)~7月2日(土)、ご都合のよい時間にウォーク

    生きるために故郷を追われたロヒンギャ難民の旅路に想いを寄せながら歩いてみましょう。期間中の歩数を、お手持ちの歩数計・アプリ等で記録してください。

    1歳の子を連れて12日間歩き続けたお母さん、森で隠れながら15日かけて逃げた一家……。その一歩一歩を想像しながら歩いてみてください。

    ※交通ルールや歩行マナーを守り、事故には十分注意してください。体調が悪い時は無理に歩きすぎないように注意し、ご自分のペースでご参加ください。

  3. Step 03期間中に歩いた歩数を提出

    歩数提出日を4回設けています。事務局からメールにてお送りするURLにアクセスし、提出日前日までの1週間ごとの歩数を記入してください。
    <歩数提出日>
    1回目 6月12日(日)
    2回目 6月19日(日)
    3回目 6月26日(日)
    4回目 7月3日(日)

参加者全員にデジタル参加証をお送りします

参加者の合計歩行距離(1歩=75センチで算出)やロヒンギャ難民に関する情報を、登録時のメールアドレスへお送りするとともに、MSFのSNSで投稿します。 
 
イベント終了後には、参加者全員にデジタル参加証をメールにてお送りします。 

■イベントに関するお問い合わせ
event@tokyo.msf.org

山を越え、川を越え……歩き続けた

■出発地:ミャンマー西部 ラカイン州  
■目的地:バングラデシュ南部・コックスバザール県 難民キャンプ
■参考距離:ミャンマー・ラカイン州ブティドンから、バングラデシュ・コックスバザール県のクトゥパロン=バルカリ難民キャンプは、直線距離で50キロ以上。100キロ以上の道のりを歩いた人も少なくありません。

難民となった人びとのストーリー

「1歳の子を連れて12日間歩き続けました」

ジョバイダさん(25歳) <br> © Hasnat Sohan/MSF
ジョバイダさん(25歳) 
© Hasnat Sohan/MSF
2017年、ジョバイダさんは3人の親族が殺害され、夫と1歳の子どもと徒歩でミャンマーを脱出し、バングラデシュを目指しました。
 
「あんなに大勢の人が一緒に歩いているのは見たことがありません。バングラデシュに着くまで12日かかりました。その間ずっと森の中を歩いて行きました。手持ちの食べ物はほんのわずかだったので、なくなった後は、食事抜きで旅を続けました」
 
ようやくバングラデシュ南東部のコックスバザール県にある巨大な難民キャンプにたどり着いたジョバイダさん一家。しかしその後時が経っても、いつミャンマーに戻れるのがわからない不安な日々が続きます。

「子どもたちの目の前で人が撃たれ、家が焼かれました」

40歳のモハメド・アユーブさんは、3人の子どもと妻と共にバングラデシュへ逃れた。その時の様子をこう振り返ります。
 
「思い出すのも恐ろしいです。朝8時ごろ軍が村に来て、人が撃たれ、家が焼かれました。子どもたちの目の前で……。私たちも撃たれる危険があったので、森に逃げて何日か隠れていました。モンスーンの雨が服にしみ込み、びしょ濡れになりながら。
 
その後、出国を目指す大きな集団に合流しました。2つの山と1本の川を越えてバングラデシュ国境にたどり着き、満員の船でナフ川を渡りました。故郷を出てから15日が経っていました。

これから子どもたちをどう養っていけばいいのか。せめて子どもたちにはいい暮らしをしてほしいと願います」
モハメド・アユーブさん(40歳)と<br> 11歳の息子 © MSF
モハメド・アユーブさん(40歳)と
11歳の息子 © MSF

ロヒンギャ難民についてもっと知る 

※この動画は字幕版です。YouTube字幕メニューで日本語を選択してご覧ください。パソコンでの視聴またはYouTubeアプリでの視聴は、画面を上下左右に動かすことができます。

トップ写真:川を越え避難先へ向かうロヒンギャの人びと=2017年9月 © Antonio Faccilongo
ページ内の地図と地名は、その法的地位に関するMSFの見解を示すものではありません。 

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