コンゴ民主共和国
コンゴ民主共和国ってどんな国?
- 位置
- 中央アフリカ
- 面積
- 234.5万平方キロメートル(日本の約6.2倍)
- 人口
- 1億928万人(2024年)
- 首都
- キンシャサ
- 通貨
- コンゴ・フラン
- 公用語
- フランス語
- 宗教
- キリスト教(約80%)、イスラム教(約10%)、その他伝統宗教(約10%)
- GDP
- 707億ドル(約11兆円:2024年)※日本は4.04兆ドル(約634兆円:2024)
- 主な産業
- 農林水産業(パーム油、綿花、コーヒー、木材、天然ゴムなど)、鉱業・エネルギー(銅、コバルト、ダイヤモンド、金、錫石、コルタン、原油など)、製造業(セメント、製鉄など)
コンゴ民主共和国の人びとが困っていることは?
長い間、争いが続いている
国の東側では、何十年も前から争いが繰り返されています。特に2021年から始まった北キブ州と南キブ州での紛争は、2024年になるとさらに激(はげ)しくなりました。
戦っているのは、反政府側の武装(ぶそう)グループ「M23」、政府の軍隊、そして、それぞれに味方する勢力や武装グループです。この争いで、2024年の終わりまでに約400万人もの人が家を追われ、避難(ひなん)しなければなりませんでした。安全な場所を求めて、多くの人びとが国内の別の地域や周辺の国へ移動を強いられています。
医療にも攻撃が及んでいる
危険な状況(じょうきょう)が続く国の東側では、病院や医療(いりょう)スタッフも攻撃(こうげき)を受けています。
2024年3月には、イトゥリ州のドロドロという町で、武装グループが病院を襲(おそ)い、物を奪(うば)いました。このとき、患者1人が殺されました。また、2025年には北キブ州で、国境なき医師団(MSF)のスタッフ3人が銃で撃(う)たれて殺害される事件がありました。
感染症が流行している
さまざまな感染症(かんせんしょう)が流行しているのも、大きな課題です。例えば、2019年から2020年には史上最大と言われるエボラウイルス病の流行が発生しました。また、2018年~2020年、2023年にははしかが大流行しました。
そして、2024年8月には、エムポックス(以前は「サル痘(とう)」と呼ばれていました)が広がり、世界保健機関(WHO)は国際的な緊急(きんきゅう)事態と宣言しました。
さらに、2025年に入ってからはコレラが猛威(もうい)をふるい、1700人以上が命を落としています。
© MSF
© Jospin Mwisha
写真の親子は、避難民キャンプからMSFの施設(しせつ)に移ってきたんだ。キャンプのように人がぎゅうぎゅうに集まっていて、しかも水やトイレなどの衛生(えいせい)環境が整っていない場所では、病気が広がりやすくなっているよ。
国境なき医師団はどんな活動をしているの?
コンゴにある26の州のうち、MSFは22州で活動しています。コンゴでは病気やけがで助けを必要とする人がどんどん増えていて、人道的な問題も深刻です。MSFはこうした状況に対応するために、次のようなさまざまな活動をしています。
- 病院や診療所(しんりょうじょ)での治療(ちりょう):基本的な医療、出産や子どもに対するケア
- コレラや栄養失調(えいようしっちょう)への対応
- はしかやエムポックスの予防接種(よぼうせっしゅ)と治療
- 移動診療(いどうしんりょう):山奥(やまおく)など、遠い村にも医療を届ける
- 性暴力を受けた人のケア:体の治療だけでなく心のケアも
© Franck Ngonga/MSF
© Laora Vigourt/MSF
性暴力に関しては、被害(ひがい)にあった人が、ケアを受けられる場所を確実に知ることができるように、人びとにMSFの存在を伝える活動もしているんだ。
コンゴに関するMSF Clubの記事
- イラスト(しんぞー先生):Ayano Kinoshita





アフリカで2番目に大きい国、コンゴ民主共和国。以前は「ザイール」と呼ばれていたよ。この国では紛争(ふんそう)が長い間続いていて、多くの人びとが争いに巻き込まれているんだ。また、さまざまな病気の流行も問題となっているよ。